新津ちせ 「カムカムエヴリバディ」初登場 演出担当者「彼女以外にない」

[ 2022年1月31日 08:15 ]

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で、玩具の刀を構える、ひなた(新津ちせ)(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】31日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第63回に子役の新津ちせ(11)が初出演した。

 ヒロイン・るい(深津絵里)の長女・ひなた役。小学4年生で「時代劇が大好きな女の子」という設定だ。

 演出の二見大輔氏は起用理由について「オーディションを行ったが、新津さんがずばぬけていた。お芝居もそうだし、話していて、女優をやりたいという気持ちがとても強いと感じた。朝ドラは通常のドラマに比べてシーン数が多く、それを限られた時間で撮影しなければならない。成立させるためには新津さんの力が必要だとチーム内で話し合って決めた」と説明する。

 新津の父はアニメ映画「君の名は。」などで知られる新海誠監督、母は女優の三坂知絵子。新津は劇団ひまわりに所属し、2019年公開の映画「駅までの道をおしえて」に主演。20年にはNHK連続テレビ小説「エール」でヒロイン(二階堂ふみ)の妹(森七菜)の幼少期を演じた。ヒット曲「パプリカ」でおなじみの音楽ユニット「Foorin」のメンバーだったことでも知られる。

 二見氏は「台本に書かれていることだけではなく、その場で起きたことに対応する力がある。例えば、るいの変化、錠一郎(オダギリジョー)の変化を瞬時に感じ取り、芝居を変化させることができる。小学生でそれができるのは凄いことで、いろいろな話題の作品に出演してきただけのことはあると思った。ひなたの幼少期は彼女以外にない」と話す。

 初登場の場面は、玩具の刀を腰ひもにさした姿。その後、テレビを見ながら2代目桃山剣之介(尾上菊之助)の殺陣をまねる場面もあった。

 二見氏は「撮影前に、なるべく時代劇と触れあう時間をつくろうと考え、過去の作品を見てもらい、玩具の刀も渡していた。刀で遊ぶ場面は、新津さんがやりたいことをそのまま受け止めようと思い、こちらからはあまり指示を出さないように心掛けた。その方が子供の良さ、新津さんの良さが出ると思ったからだ。なるべく伸び伸びと芝居をしてほしい、そこで生きているように芝居をしてほしいと考えた」と話す。

 舞台は1975年の京都。ひなたは、るいから夏休みの宿題をやるようにせかされると「あっしにはかかわりのねえことでござんす」とひと言。当時人気だった時代劇「木枯し紋次郎」の主人公の決めぜりふをほうふつさせた。

 二見氏は「事前に映像資料を渡していたので、新津さんの中で出来上がっていた。台本上、時代劇のセリフに唐突感があったかもしれないが、うまくやって頂いたと思う」と太鼓判を押す。

 今週の放送から新津の活躍が顕著。3代目ヒロイン(川栄李奈)に力強くバトンを渡すことになる。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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2022年1月31日のニュース