NHK「クローズアップ現代」6年ぶりゴールデン帯に復活 会長の意向実現

[ 2022年1月31日 05:31 ]

NHK「クローズアップ現代+」の公式ツイッター

 NHKの看板報道番組「クローズアップ現代」が今春から6年ぶりにゴールデン帯(午後7~10時)に復活することが30日、分かった。現在は「クローズアップ現代+」として毎週火~木曜日の午後10時に30分枠で放送中。改編後は「ニュース7」が終了する午後7時30分から30分間の放送となり、午後7時台を報道の1時間とし「NHKらしさを視聴者にアピールする」(局関係者)狙いがある。

 番組は1993年にスタート。当初は午後9時30分からの放送だったが、後に午後7時30分へと移動。国谷裕子氏(64)をメインキャスターに迎え、その時々の世相を反映する出来事や人物を深く掘り下げるスタイルが人気を博した。

 16年には番組を大きくリニューアル。放送時間も現在の午後10時台となり、国谷氏の後任として複数の女性アナが交代でキャスターを務めた後、武田真一アナウンサー(54)が進行し、クオリティーの高さと安定感で幅広い世代から支持された。

 21年に武田アナが大阪放送局へ異動したのを機に、現在まで続く井上裕貴アナ(37)と保里小百合アナ(31)の2人体制となっている。

 NHK独自の取材で、これまで多くのスクープを連発してきた看板番組。最近では、18年にかんぽ生命の保険の不適切な販売を巡る問題を取り上げたことで大きな反響を呼んだ。局内では「高い取材力が発揮されるNHKならではの番組」として評価が高い。

 みずほフィナンシャルグループ社長などを歴任し20年1月に会長に就任した前田晃伸氏はかねて、ゴールデン帯を「“新しいNHKらしさ”を追求する番組開発ゾーン」と銘打っていた。定例会見でもたびたび「ゴールデン帯にNHKならではの報道番組を強化する」と発言しており、この“移動”はその意向を実現したものとなった。

 同局関係者は「内容もより良くすることになるが、失敗はできない」と気を引き締める。キャスター、放送曜日などは現在調整中。映像を駆使したどんな番組になるのか注目される。

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