羽生、井山氏に国民栄誉賞 政府検討、将棋と囲碁で初 永世七冠、七冠2度

[ 2017年12月13日 08:51 ]

将棋界史上初の「永世七冠」を達成し、笑顔で記者会見する羽生善治氏
Photo By 共同

 政府は、将棋界史上初の「永世七冠」を達成した羽生善治氏(47)、囲碁で初めて七冠独占を2度果たした井山裕太氏(28)に国民栄誉賞を同時授与する方向で検討に入った。安倍晋三首相が指示した。菅義偉官房長官が13日の記者会見で明らかにした。実現すれば、将棋界、囲碁界で初めてとなる。羽生氏は東京都内の日本記者クラブで取材に応じ「検討していただけるだけでも名誉なこと」と話し、井山氏は「ただただ驚き、身に余る光栄だと恐縮しています」とコメントした。

 政府は、前人未到の偉業が、将棋や囲碁の発展に寄与し、国民に感動や勇気を与えたと評価した。授与式は年明けになる見通しだ。菅氏は会見で「いずれも歴史に刻まれる偉業であり、社会に明るい希望を与えた」と述べた。政府筋は「異論はないと思う」と語った。

 今後のことについて両氏は「引き続き棋士としてまい進していきたい」(羽生氏)、「今後も精進し、期待に沿えるよう信じる道を歩んでいきたいと思います」(井山氏)との抱負も明らかにした。

 羽生氏は今月5日の竜王戦7番勝負の第5局で、竜王を獲得。現在七つある将棋の永世称号(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖)全てで称号を手にする「永世七冠」を成し遂げた。

 井山氏は今年10月の名人戦7番勝負の第5局で、名人位を奪還。七大タイトル(棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖、十段)全てを保持する全七冠に復帰した。2度、全七冠を同時制覇したのは囲碁、将棋界を通じて初の快挙だった。

 国民栄誉賞は1977年に創設。スポーツや芸能、文化などの分野で功績を上げた24の個人・団体が受賞している。昨年には、女子個人種目で五輪史上初の4連覇を果たしたレスリングの伊調馨選手に贈られた。

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2017年12月13日のニュース