KTCが産学連携で生み出す新次元の工具!『nepros neXT・NBR390X』ラチェットハンドル【カーグッズ・オブ・ザ・イヤー傑作選】
![](/car/news/2024/04/05/jpeg/20240405c01045SCE013000p_view.webp)
妥協なしの取り組みで新次元のステージに突入
徹底的にスリム化を果たした『NBR390A』は、ひとつの完成形だったはずだ。事実、このラチェットハンドルは前回のオブザイヤー受賞作。けれど、それから1年も経たないうちに、また違った究極が出てきてしまうのだから、技術進化はたゆみない。
ネプロス「neXT」の冠を添えられる新ブランドは、見た目からして既存イメージとは大きく違う。NBR390Aと同様のメカニズムを使いつつ、また別のベクトルで大きな進化を果たしている。
何より、採られた手法が違う。産学連携で実用が進む先進分野の一つである「トポロジー最適化」は、力学的・数学的根拠に基づく条件のもとで、剛性を落とさずに軽さを追求するもの。寸法効率化や形状効率化の先を行くものとされる。
![](https://motor-fan.jp/mf/wp-content/uploads/sites/4/2024/03/122-1024x769.jpg)
トポロジー最適化という最新の手法を用いて生み出された新シリーズ第一弾。一見奇抜に見える構造ながらも、全てが理詰めで機能性に富み、軽くて強くて使いよい工具という理念が細部にまで息づいている。
そのアプローチを経て導かれたのがこの姿だ。橋桁のような独特の構造は、究極の軽さと強さを体現する。とはいえ、計算式のようにすぐに答えが出たわけではない。開発スタートは2016年から始まっており、実質7年もの開発期間を要している。それでも、実用化の例としてはこれとて短期に入るという。製造部門を社内に持つ、モノ作りのエキスパートだからこそ可能にできた濃密な7年でもあったわけだ。
![](https://motor-fan.jp/mf/wp-content/uploads/sites/4/2024/03/123-1024x769.jpg)
産学連携による新たな手法の採用でネプロスが生み出す新たな“新化”
すでに行き着くところまで到達した感のある、KTCネプロスによる究極のツール制作。だからこそ、次へのステップはより難しさを増す。
「これまでの経験でも、ある程度突き詰められたという自負はありました。だからこそ、そこから考えを新化させないと次の形状は求められません。たとえ加工の難易度が上がったとしても、突き詰めたものを一度壊す必要があると考えました」
その手段として採られたのが、“トポロジー最適化”と言われる構造最適化手法だ。
「物体を仮想でメッシュ状にし解析すると、力を加えた時にいる部分といらない部を仕分けできます。そこで得たのが、なくてもいい部分があるという着眼点でした」
トラス構造と言われる独特な形状にたどり着く大きな一歩とはいえ、それだけで成立するほど商品化は簡単ではない。
「強度試験をしても大丈夫だというのがこれで分かったんですけど、持ちやすいかっていったらそうではないわけで。ここから先は、どういう形状が実際に手に馴染むかを考えました」
トポロジー最適化はあくまでもいち手段。次なるステップを踏む上では原点回帰も大事なプロセスになった。
「工具はもともと、人ができないことをできるようにしたのが始まりだと思うんですね。安全であるとか安心できる工具っていうのがその次のステップ。さらにその先に、実際に工具を使う皆さんがどういう物を求めているかに考えが及びます。うちで言うネプロスです」
受賞モデルはこのさらに先を行くものだ。
「新しく化ける“新化”として、ネプロス・ネクストがあります。ネプロス・ネクストは作業者の工具を使用する姿勢を観察、研究して最適化されたツールです」
あくまで、軽さは一つの要素に過ぎない。
「まとめると、ダイレクト感と伝達性と拡張性、それから感性です。これらが等しく綺麗に進化すれば、“新化”していると言えるんじゃないかと考えました。軽量化も一つのPRポイントではあるんですけど、使いよさを突き詰めた結果としてこの製品はあります」
社内外に渡り、製品化の反響は大きなものだった。
「第一印象で、すごくインパクトを受けたという声は届いてますね。あと、違う会社さんでは、“うちではこれは作れない”とも言われました。ひと目見て手間が掛かるのが分かるんで、どうしても敬遠してしまうとのことです。考えついても量産はできないというレベルなのかもしれません」
“新化”の歩みはまだ始まったばかり。ラチェットハンドルは、そのひとつに過ぎない。
![](https://motor-fan.jp/mf/wp-content/uploads/sites/4/2024/03/124-683x1024.jpg)
京都機械工具株式会社
T&M推進本部
商品企画部 汎用開発グループ
大西俊輔 氏
2024年4月5日のニュース
-
16年の時を経て復活するBMW「M5ツーリング」、いざ史上初の米国市場へ!
[ 2024年4月5日 20:00 ] モーターファン
-
日本円換算、約448万円から! 国内にも導入予定の新型「スバル・フォレスター」、北米向けのグレード別装備&価格が発表!
[ 2024年4月5日 19:00 ] モーターファン
-
5年から3年へ! 三菱ふそう、VT採用のメカニック向けトレーニングプログラム開始で、技術・知識レベルの習得期間を大幅短縮
[ 2024年4月5日 18:00 ] モーターファン
-
ターゲットはカイエン! 中国スマートフォン大手が渾身のSUVを発売へ!
[ 2024年4月5日 18:00 ] モーターファン
-
8年ぶり世代交代へ…ポルシェ「カイエン」次期型、最後のガソリンエンジン車発売濃厚に!
[ 2024年4月5日 16:00 ] モーターファン
-
356や911だけじゃない!F1マシンやトラクターなど希少な歴代ポルシェもズラリと並ぶポルシェミュージアムはファン必見!!
[ 2024年4月5日 14:00 ] モーターファン
-
4月9日アンベール! かつてのハイラックスサーフ=4RUNNERが15年ぶり世代交代・巨大タブレット先行公開!
[ 2024年4月5日 14:00 ] モーターファン
-
読み応えアリ! F1日本GPを前に、ホンダがF1のテクノロジーを解説
[ 2024年4月5日 12:00 ] モーターファン
-
KTCが産学連携で生み出す新次元の工具!『nepros neXT・NBR390X』ラチェットハンドル【カーグッズ・オブ・ザ・イヤー傑作選】
[ 2024年4月5日 12:00 ] モーターファン
-
DAZN 4月5日に開幕する「F1TM日本グランプリ」全セッションをライブ配信
[ 2024年4月5日 10:30 ] なし
-
F1日本グランプリ2024直前! アルピーヌF1のエステバン・オコンとジャック・ドゥーハンのトークショーがシティサーキット・東京ベイにて開催
[ 2024年4月5日 08:00 ] モーターファン
-
BYDのEVの魅力に触れられるイベント『ありかも、BYD Park!』が東京・原宿で開催!
[ 2024年4月5日 08:00 ] モーターファン
-
2023年もまたホンダN-BOXか! 新車販売台数3年連続首位獲得の秘密とは?
[ 2024年4月5日 08:00 ] モーターファン
-
サステナブル素材採用の専用レースタイヤの実力は!? トーヨータイヤ、 ニュルブルクリンク耐久レースに『PROXES』装着車両で参戦!
[ 2024年4月5日 08:00 ] モーターファン
-
大人も見逃せない!? マクドナルドのハッピーセットに『トヨタGRカローラ』のトミカが登場! プロジェクトも豪華だ!
[ 2024年4月5日 08:00 ] モーターファン
-
ミツオカのミドルセダン&ワゴン『リューギEX』シリーズが一部改良。パーキングサポートブレーキなど機能装備を拡大!
[ 2024年4月5日 08:00 ] モーターファン
-
見よ、クラウンクロスオーバーの新たなるカタチ! 『RS“ランドスケープ”』はアウトドアの世界観を表現した特別仕様!
[ 2024年4月5日 08:00 ] モーターファン
-
ランドローバーがついに存在を認めた“最強”のディフェンダーOCTA、早くも実車がニュルに出現!
[ 2024年4月5日 08:00 ] モーターファン
-
詳細情報を大公開! フォルクスワーゲンの次期トランスポーターはより長く、広く、モダンに大変身!
[ 2024年4月5日 08:00 ] モーターファン
-
ダイハツ「ミゼットII」デビュー。一世を風靡した小型3輪「ミゼット」が4輪となって復活!【今日は何の日?4月5日】
[ 2024年4月5日 08:00 ] モーターファン
-
【輸入乗用車新規登録台数】2024年3月期は前年同月実績を1%下回るも、好調だった6ブランドとは?
[ 2024年4月5日 08:00 ] モーターファン
-
角田裕毅「日本のファンの期待に沿うレースを」 F1日本GP5日開幕 春開催には「新鮮」
[ 2024年4月5日 04:30 ] モータースポーツ