ダイハツ「ミゼットII」デビュー。一世を風靡した小型3輪「ミゼット」が4輪となって復活!【今日は何の日?4月5日】
初代ミゼットから24年ぶりに4輪となって復活
1996(平成8)年4月5日、ダイハツからユニークなデザインの軽トラック「ミゼットII」が発売。1957年に誕生した初代ミゼットは、街中の運送などで活躍し大ヒットした小型の3輪軽トラック。その2代目ミゼットIIは進化し4輪になったが、小回りの利く小型トラックという基本的なコンセプトは同じだ。
3輪トラック製造で飛躍したダイハツ
1907年に発動機製造株式会社として創設されたダイハツは、1930年に自社製エンジンを搭載した3輪トラック「HA型」を発売し、自動車事業に参入。当時まだ4輪トラックは高価で、3輪車なら荷台に2つの車輪を付けてバイクでけん引でき、操舵や駆動システムは2輪車用が使えるため、価格が抑えられたのだ。
戦時中、ダイハツは軍需会社に指定されて自動車の開発は停滞したが、戦後になって3輪車の開発を再開。小回りが効いて人や生活用品を輸送するのに便利ということで、戦後の混乱期に3輪トラックの需要が急速に高まり、これに応えて成長したのが、ダイハツとマツダ(当時は、東洋工業)だった。
その後、徐々に性能や乗り心地、静粛性に優れる4輪トラックが台頭し、1950年代半ばには4輪トラックが主役の座に着いた。3輪車は市場から徐々に消えていくことになったが、そのような中1957年に小型のユニークな3輪トラックのミゼットが登場したのだ。
小型3輪トラックというジャンルを開拓し一世風靡したミゼット
ミゼットは、“街のヘリコプター”というユニークなキャッチコピーで登場。1人乗りで小回りが利き、積載量は300kg。エンジンは、最高出力10ps/最大トルク2.0kgmを発生する249cc(その後、360ccへ)空冷単気筒2ストロークエンジンで、初期型はドアがなく、ハンドルは円形でなくバーハンドルだった。荷台のあるオートバイという感じだったが、街中の運送や農家の足として重宝され、爆発的なヒットを記録した。
大ヒットのミゼットに続いて、三菱「レオ」やマツダ「K360」も追走し小型3輪ブームが起こったが、ミゼットの人気は不動だった。車両価格は19.3万円、ちなみに当時の大卒初任給は1.2万円程度(現在は、約23万円)だった。
2年後の1959年には、ドアが付き、円形ハンドルとなり、バリエーションを増やしながら進化。しかし、ブームは数年で終わり、1960年代に入ると走行安定性に優れた4輪の軽トラックブームへと流れが変わり、1972年には販売を終えた。
復活したミゼットIIは3輪から4輪へと進化
ミゼットの販売終了から24年経った1996年に登場したのが、3輪から4輪へと進化した小型トラックのミゼットIIだ。初代譲りの全長3m足らずの最小サイズで、最小回転半径も3.6mと小回りが利き、スペアタイヤをフロントに装着したユニークなデザインも注目された。
パワートレインは、最高出力31ps、660cc直3 SOHCエンジンと4速ATの組み合わせ、駆動方式はフロントミッドシップのFR。先代のミゼットよりパワーアップしたが、基本的には1人乗りで積載量は150kgと限られたため、狭い街中の配達や輸送などの用途に限られた。車両価格は、46.9万円/48.9万円/59.9万円の3グレード、ちなみに当時の大卒初任給は19.5万円程度(現在は約23万円)だった。
小型で扱いやすく便利だったが、初代ミゼットが生まれた当時のような需要はなく、用途が限られているので初代のようなヒットにはならず、2001年に終了した。近距離のデリバリーに使う場合がほとんどで、可愛いスタイルから“店のマスコット”的な扱いをすることも多かったようだ。
最近は、超小型モビリティの必要性がクローズアップされているが、ミゼットIIも電気自動車にすれば、荷物が運べる超小型モビリティとして活用できるかもしれない。ただ最大積載量が150kgでは少なすぎるので、もっと増やす必要があると思う。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
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