巨人・阿部監督「困ったらど真ん中」の意図 邪念からのミス、打者心理、四球を減らそうとする重圧…

[ 2024年5月20日 23:10 ]

巨人・阿部慎之助監督
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 プロ野球・巨人の阿部慎之助監督(45)が19日深夜に放送されたテレビ朝日「GET SPORTS」(日曜深夜1・40)にVTR出演。「新監督の現在地」として同番組が密着取材を進める中で、投手陣に自身の考え方の一つを伝えた「困ったらど真ん中に投げろ」の意図を語った。

 就任1年目。阿部監督の捕手出身だからこそできる投手陣改革の中で、バッテリーに与えた言葉に「困ったらど真ん中」がある。

 阿部監督は「(投手陣に)なかなかバッターも打つのは難しいんだよと教えてはいるんですけど、“打たれちゃいけない”っていう邪念が入るとコントロールミスを余計するっていうね。“打たれてこい”っていうテーマをわざとやってみたんですけど」とシーズン前の実戦で掲げたテーマを説明。続けて「なかなかね(打者心理として)初球を振る勇気っていうのは、凄く難しいですし。そういうことを知っているからこそ、ストライク先行で行こうよというのは言っているつもりなんですけど」と、ど真ん中でも打つのは難しいという打者心理を説きながら、4番として巨人を支えてきた打者・阿部慎之助として対話を重ねていることを明かした。

 そして4番打者としてだけではなく、捕手目線からも「フォアボールの数を減らせというと、余計気にして(四球が)増える。なので、そこはあえて言わない。だからこそ“打たれよう”という違う言い方をしている」と語った。

 選手たちの“失敗したくない”という思いも痛いほど分かっている。現役時代、自分がミスをした時の写真をロッカーに貼り付けていたという阿部監督。「あれがあったからこそ、油断をしないようにその写真を見て、チラっとでも見ればすぐに思い出せる。ミスしたら切り替えて行けっていいますけど、ダメなんですよ、忘れちゃ。忘れないで切り替えていけって言えばいいんですよ。今のミスを忘れるなよ。その分、どっかで取り返してこい、と」

 大事にしているのは「失敗の後の会話。気になったことは自分の言葉で伝えたい」と語る阿部監督1年目の挑戦は、まだ始まったばかりだ。「困ったらど真ん中」「失敗から学べ」――。自身の経験を余すことなく伝え、対話を重ねていきながら、一歩一歩、目標のリーグ制覇、その先の日本一へと進んでいく。

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