阪神の“アイドル”木浪 TORACOのために満塁で燃えた計3打点 投票企画で唯一全部門ランクイン

[ 2024年5月20日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神7-2ヤクルト ( 2024年5月19日    甲子園 )

<神・ヤ>8回、木浪は2点二塁打を放つ(撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

 聖地を黄色く染めたTORACOのハートを、満塁男・木浪が鮮やかに射抜いた。8回、無死満塁のダメ押し機にエスパーダの初球を中越え2点二塁打。昨季打率・444、19打点を誇り、今季も試合前まで打率・500(4打数2安打)、2打点と得意にしながら、18日の7回には投ゴロ併殺打を喫していた満塁機で、リベンジの快音を響かせた。

 「絶対、初球を打ちにいくと決めていた。思い切っていけたのがああいう結果になった。勝利を決定づけられた一打になった」

 快打の予兆はあった。0―2の2回、梅野の犠飛で1点を返し、なお1死三塁で石川から同点右犠飛。「同点にして(上位打線へ)つなげたかった。1球で仕留められて良かった」。続く4回無死一、二塁では右前打し、次打者・才木の押し出し四球につなげた。得点した全イニングに絡む千両役者に、TORACOも木浪にホレ直したはずだ。

 打率・228と苦しみ、同じ42試合終了時点で同・316だった昨季とは別人と言っていい。巨人との開幕3連戦は計7打席無安打。4月2日のホーム開幕戦(対DeNA)で今季初安打を右越え本塁打で飾ったが、低い弾道のライナーを理想としており、本来の打球ではなかった。

 翌3日の朝。木浪は京セラドームへ向かう前、甲子園の室内練習場に立ち寄った。ファーム選手の雨天練習を妨げぬよう、隅の打撃ケージで緩い球を約1時間、逆方向へ打ち返し続けた。日々、復調のきっかけを探し「やるべきことをやろう、と毎日試合に臨んでいる」。思いは伝わっているだろう。雨とともに降り注いだ黄色い声援が何よりの証拠だ。

 「毎日たくさんの人が応援してくれている。それに応えられるようにやっていく」

 TORACOを対象とした球団の投票企画で、唯一、全4部門で5位以内に入り「推しの選手」では堂々トップに輝いた。虎の“アイドル”がお立ち台で見せた無敵の笑顔。残り101試合、何度でも見たい。(八木 勇磨)

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年5月20日のニュース