ソフトバンク・中村晃、乳がん撲滅へ尽力V撃 「ピンクフルデー」初戦にさっそく1万円寄付

[ 2024年5月18日 06:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク6-2西武 ( 2024年5月17日    みずほペイペイ )

<ソ・西>2回、生還してナインとタッチをかわす中村晃(撮影・成瀬 徹)
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 首位・ソフトバンクは17日、「ピンクフルデー」として実施された西武戦を6―2で快勝した。2回に中村晃外野手(34)の左前適時打で先制。乳がんの早期発見、治療などを啓蒙する「ピンクリボン運動」に尽力しているベテランが決勝打を放った。3回には山川穂高内野手(32)の両リーグ最速10号到達となる左越えソロが飛び出すなど着実に加点。チームは2連勝で貯金を今季最多15とした。

 ピンク色に染まった満員御礼の本拠地。2年目を迎えた「ピンクフルデー」の初戦、中村晃の先制打から点を積み重ねた。

 「いい活躍ができて本当良かったです。何とかバットに当てて“どっか飛んでくれたらな”と。いいところで貢献できたかな」

 「6番・一塁」で2試合連続でスタメン出場。0―0の2回1死三塁でボー・タカハシのフォークを振り抜いた。遊撃手・源田が横っ飛びするも届かず左前適時打。安打、打点ともに2試合連続でチーム11安打6得点の流れをつくった。

 16日に乳がん撲滅などを目的に活動する認定NPO法人「ハッピーマンマ」へ1安打(ポストシーズンを含む)につき、1万円の寄付をする取り組みを今季も継続すると発表した。今年で7年目になる活動で「もう1本、打ちたかったですけど」と悔やんだが、さっそく1万円を寄付できた。

 先輩からバトンを受け継いでいる。08年に当時2軍監督だった鳥越裕介氏が夫人を乳がんで亡くした。球団は09年からドームをピンク色に染めることで乳がんの早期発見、検診を促す「ピンクリボン運動」を実施。鳥越氏の思いを受けて率先して動いてきた中村晃は「がん検診を受けて、早期発見ができたと話を聞いたり、イベントの規模が年々、大きくなったり。声が届いたのは良かったし、引き続き検診に行ってもらえたらいいと思う」と話した。

 小久保監督は「こうやって鳥越の個人的なところからね。多くの方が情報を知って早期発見につながっている。活動が広がって、何より初戦の勝利が良かったね」と喜びを口にした。チームは2連勝で貯金は今季最多の15。37試合以下での貯金15到達は27試合で到達した1965年以来59年ぶりのハイペースだ。

 任された仕事を確実にこなし、ピンクフルデー初戦の勝利に貢献した中村晃は「今後も活動が続くように」と言った。短い言葉だったが、重みがあった。(井上 満夫)

 【球団OB鳥越氏乳がん撲滅など訴え】球団OBの鳥越裕介氏が「ピンクフルデー」初日の17日、乳がん撲滅と早期発見、検診を訴えるトークショーを行った。同氏は2軍監督時代の08年に乳がんで夫人を亡くし、認定NPO法人「ハッピーマンマ」の大野真司代表理事と交流を続けてきた。両者は登壇し、トークを展開。鳥越氏は「知らないことが一番怖い。知ることで早期発見となり、助かる確率も高い。発信することが大事。いろんな世代に伝えていけたら」と話した。

 【ピンクフルデー】若い女性ファンを呼び込むためのイベントとして06年に開始した「女子高生デー」が発祥。14年からは世代を問わず女性の集客を図る「タカガール・デー」として実施され、ピンク色のユニホームの無料配布などを行ってきた。昨季から「ピンクフルデー」と名称が変更された。選手はピンクを基調とした特別ユニホームを着用する。

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