広島・森下 光った安定感 中10日で6回1失点 今季初黒星も右人さし指マメの不安を一掃

[ 2024年5月16日 06:30 ]

セ・リーグ   広島0ー2ヤクルト ( 2024年5月15日    松山 )

<ヤ・広>先発で力投する広島・森下 (撮影・奥 調)
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 広島は15日、ヤクルトに0―2で敗れて今季8度目の零敗を喫し勝率5割に逆戻りした。右人さし指のマメの影響で中10日を空けて先発した森下暢仁投手(26)が6回8安打1失点と粘投。今季初黒星で自身の開幕からの連勝は3で止まったが、不安を一掃した。打線はヤクルトの新人・松本健吾投手(25)に3安打に封じられ、球団では1988年の大洋・野村弘以来、36年ぶりに新人投手に初登板完封勝利を献上した。

 代打・松山が力ない投ゴロに倒れて敗戦が決まると、森下は悔しそうにグラウンドを見つめた。2回に許した1点が最後まで重くのしかかった。

 「点を取られたり、打たれている(ピンチを背負う)回は先頭打者を出している。ゲームをつくる中でリズムも大事だなと。相手投手は(4回以降)3人で(抑えて)リズムよく投げていた。そこの差はあったと思う」

 初回は先頭の丸山和から連打を浴び無死一、二塁。オスナを三ゴロ併殺打、村上を中飛に仕留めて無失点でしのいだが、2回は先頭のサンタナに二塁打、青木の左前打で無死一、三塁とされ、1死後、武岡に右前適時打を打たれて先制点を奪われた。右腕が言うように3者凡退は5回の一度だけ。リズムの悪さが攻撃陣にも少なからず影響を与えたことは否定できず、ルーキー右腕に投げ負ける結果となった。

 この日の舞台だった坊っちゃんスタジアムは大学日本代表で登板経験があり、22年の球宴でもグラウンドに立った。シーズン公式戦ではプロ入り5年目で初の地方球場登板だったが、この日の最速152キロの直球を軸に3回以降は要所を締め6回1失点。援護がなく今季初黒星を喫した一方で、開幕から5試合連続クオリティースタート(6回以上、自責点3以下)と安定感が光る。

 今回は右人さし指のマメの影響で中10日での登板だったが、先発の役割は果たし、不安を完全に払しょく。新井監督も「要所を締めて、本当に今日もナイスピッチングだった」と称えるなど、今後に向け明るい材料があったことも確かだ。

 「しっかりゲームをつくっていけば、点を取ってもらうタイミングもあると思う。先頭打者もそうですしカウントを悪くすることも多い。そのあたりを修正したい」と森下。チームは勝率5割に逆戻りしたが、この夜の粘投をプラスにとらえ、次戦は必ず勝利につなげる。(長谷川 凡記)

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