阪神・森下 昨年9・26以来の1番先発でマルチ安打 ライデルから今季初の四球で全3出塁

[ 2024年5月15日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2―4中日 ( 2024年5月14日    豊橋 )

<中・神>初回、森下は中前打を放つ(投手・高橋宏)(撮影・大森 寛明)
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 阪神・森下はチャンスメークすることだけを考えていた。2点劣勢に局面が変わった9回2死。マルティネスの150キロを超える直球にも、低めに落ちるスプリットにも反応せず、初球から4球続けてボール球を冷静に見極めた。マルティネスにとっては開幕から打者54人目で初の与四球。続く中野の二ゴロで試合が終わっても、絶対的守護神に対して最後まで食い下がった。

 「2点差があったので。自分が(塁に)出ないと勝てないケースだった。出ることに重きを置いて、いいピッチャーなんで。何とか出たいな…というふうに思っていた」

 3試合ぶりの先発で奮起した。昨季10試合で経験した1番は昨年9月26日のヤクルト戦以来。初回は1ストライクから高橋宏のナックルカーブを中前へはじき返し、3回2死では2ボールから低め直球を引っ張りこんで左前へ打ち返した。150キロの直球を軸にナックルカーブ、スプリットを操る難敵右腕のボール球には一球も手を出さず、打てる球をしっかり強振した結果が2安打につながった。

 「試合に出ていないのが続いた。何とかやってやろうという思いで(打席に)入った」

 開幕3番で迎えたプロ2年目。本来なら不動の座にしなければいけなかった。前川、ノイジーに加え、10日のDeNA戦から1軍に昇格した井上が3戦連続で結果を出した。ベンチから、ただ指をくわえて見ていたわけではない。先発を外れた2試合は代打の1打席だけ。悔しさをバットにぶつけた。

 「先頭で出られた。チャンスの場面で回ってきたら、もっとチームのために貢献しようって思っていましたけど、そういう場面はあまりなかった。今日はもう(チャンス)メークで。後ろに近本さんもいるので、そういう意識で入りました」

 人生初だった豊橋で虎のリードオフマンとしての役割を全うした。あとは、この打撃を継続していくだけだ。(石崎 祥平)

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