TORACO記者・杉原が「ウル虎」ユニの裏側に迫る デザイン担当者を直撃

[ 2024年5月14日 05:15 ]

虎があしらわれた21年ユニホーム(球団提供)
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 【TORACO記者・杉原瑠夏 調べたガール書きたガール】新人虎番記者・杉原瑠夏が阪神に関わる人やもの、裏側を探る「調べたガール書きたガール」。第1回は、阪神で「ウル虎の夏」ユニホームのデザインを担当している中嶋氏(31)に迫る。毎年インパクトのあるデザインがどこから生まれるのか、最終決定は誰が行うのかなど大人気企画の裏側を追いかけた。

 今年の夏もスタンドが一体となって選手を後押しする。今年で12年目を迎える一大イベント「ウル虎の夏2024」。この企画には「ウル虎の夏」ユニホームの存在が欠かせない。毎年インパクトのあるデザインで話題になる。そのアイデアは一体どのようにして生まれるのか、中嶋氏を直撃した。

 「阪神タイガースファンの皆さんが求めるものは、なんだろうと考えることを大切にしています」

 中嶋氏は18年8月に入団。以前は東京の別会社で働いていた。「オールドファンも楽しませつつ、新しいことにもチャレンジできる。そのバランス感覚は歴史と人気のある阪神でしかできない」と一念発起して地元の関西に戻ってきた。念願の仕事だったが、これまで全く縁のなかったグラフィック関連の仕事が激増。「学ばないといけない」と猛勉強した。21年からは本格的に「ウル虎の夏」ユニホームのデザインに携わっている。

 日常生活からテーマ探しに奔走。ギャラリーに足を運び、多くの人気イラストレーターが掲載されている専門誌を購入してインプット。「普段からアンテナを張りまくっています。街中で何がはやっているのかもチェックする」。当然、SNSチェックもマストだ。

 翌年へ向けて始動するのはイベントが終了する8月だ。考えたテーマと、自身が書いたラフ案を持ってデザイナーと綿密に会議。「弱く見えたりするのは絶対NG。強そうに見えるように気をつけています」。公式戦ユニホームを手がけるミズノ社に7~8種類のデザインを提案し、最終的に3案まで絞る。

 最終決定は11月に開催されるファン感謝デー。首脳陣や選手などに直接意見を聞き、最後は監督の選ぶ1着が“戦闘服”に。「皆さん体格がいいのでとてもかっこよく見えるんです」。自らがデザインしたユニホームを着てプレーする姿を見るのが最高の幸せだ。

 「日本一の監督にユニホームを提案できる、誇りのある仕事。選手やファンの方が着てくれているのを見るのは凄くうれしいです」

 今夏は計6日間開催される。前売り券は全て完売し、約30万枚の来場者プレゼントユニホームも配布予定だ。今年は甲子園100周年に合わせて緑色が基調。スタンドが緑色に染まる日が待ち遠しい。

 ◇杉原 瑠夏(すぎはら・るか)1998年(平10)8月1日生まれ、大阪府箕面市出身の25歳。21年4月にスポニチに入社し、総合コンテンツ部配属。24年1月から報道部に異動し阪神担当。幼稚園から空手を習い、中高はバレーボール部。高校野球が好きで愛読書は「甲子園の星」。趣味は映画観賞と読書。

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