セ界の小林 巨人も戸郷も救う971日ぶり一発「まさか打てるとは」阿部監督も絶賛!?

[ 2024年5月11日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―1ヤクルト ( 2024年5月10日    神宮 )

<ヤ・巨>殊勲の小林は試合後、ブルペン前で待つ投手陣とハイタッチをかわす (撮影・西川祐介)
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 2位の巨人は10日、ヤクルトに2―1で競り勝った。先発マスクをかぶった小林誠司捕手(34)は投手陣を好リードし、7回には左翼席に自身3年ぶりの本塁打となる1号ソロで貴重な追加点を挙げるなど攻守で勝利に貢献。0・5ゲーム差で追う首位の阪神も勝利したため首位浮上はならなかったが、3連勝で貯金3とした。4年ぶりのリーグ優勝を狙うチームに、ベテラン捕手は不可欠な存在となっている。

 ベンチの誰もが目を丸くした。スタンドもお祭り騒ぎだ。打った本人が一番驚いた表情で、何度も着弾点の左中間を見ながらダイヤモンドを一周した。小林が21年9月12日以来、実に971日ぶりの1号ソロ。「まさか打てるとは思ってなかった」と感慨を込めた。

 1―0の7回1死。フルカウントからヤフーレのチェンジアップに食らいついた。息詰まる投手戦の中で踏ん張っていた戸郷を勇気づける一発。「チームにとっても、戸郷にとっても凄い大きい点だったと思う。打てて良かった」。自身が打った喜びよりも、7回1安打無失点に導いた右腕の心情を口にした。

 強気のリードで強力打線に立ち向かった。「気持ちで負けたら絶対ダメ。僕もそういう(弱気な)姿っていうのは一切、見せたらダメやと思っている」。通算200号に王手をかけている相手の主砲の村上を左飛に打ち取った4回は戸郷に7球中5球も内角直球を要求。8回に救援陣が1点を返されたが、最後まで攻めの姿勢を貫き逆転は許さなかった。

 球団史上初の捕手出身監督である阿部監督も「投手に与える安心感がある」と信頼を寄せる。キャンプは2軍だったが、1、2軍問わず投手陣の映像はチェック。「映像もいっぱい見ていたし、若手とも話しながら、いろいろ共有できていた」と胸を張る。ベテランとして自身の立ち位置も把握しており「チーム力が上がるようにっていうのは常に考えてるし、勝つことが一番。(大城)卓三含めて全員で投手と一緒に強いバッテリー組めるように」と言う。昨季の正捕手・大城卓が不振で2軍調整。正捕手奪取よりも4年ぶりのV奪回を優先する。

 17年のWBCでは攻守でチームに貢献し「世界のKOBAYASHI」と評された。本塁打を放った直後からSNS上では「世界のKOBAYASHI」「小林誠司」「小林ホームラン」が続々とトレンド入り。阿部監督も「バットを持ってるから(笑い)」と冗談めかしながら評価する。「たくさん打てる打者ではないですけど、粘ったりして、打線としてつなげられるように」と小林。“ここぞ”というときに頼りになる男だ。 (小野寺 大)

 ▽小林の17年第4回WBC 日本代表に初選出され、ケガで辞退した嶋基宏に代わり正捕手として全7試合に先発出場。米国との準決勝ではアダム・ジョーンズの盗塁を阻止し、菅野、千賀らのワンバウンドの投球を懸命に捕球。投手への声かけのタイミングなどが米メディアで絶賛された。同大会は打率.450(20打数9安打)、1本塁打、6打点。日本は4強に終わったが、攻守ともにチームに貢献し「世界のKOBAYASHI」「ラッキーボーイからヒーローへ」と称された。

【先発捕手で最高勝率.727】
 ○…今季の巨人は3人の捕手が先発を務めているが、各捕手の先発出場時のチーム勝率を出すと
捕手名 試 勝 分 敗 勝率
小 林 13 8 2 3 ・727
岸 田  9 4 1 4 ・500
大城卓 14 6 0 8 ・429
と小林先発時が最高の勝率・727で、唯一勝ち越している。なお、この日先発した戸郷は小林とのバッテリーでは2勝0敗、防御率1・45の好内容。大城卓と組んだ際の防御率2・42(1勝1敗)に比べて1点近くも低く抑えている。

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