「4番、サード、長嶋」懐かしアナウンスで長嶋茂雄DAYに登場 思い入れある阿部監督が勝利で応えた

[ 2024年5月4日 05:28 ]

セ・リーグ   巨人8-5阪神 ( 2024年5月3日    東京D )

長嶋茂雄DAY <巨・神>5回終了で登場した長嶋氏と松井氏は阿部監督(右)と記念撮影 (球団提供)
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 「4番、サード、長嶋」――。5回終了後、懐かしのアナウンスに大歓声が降り注ぐ。車椅子で登場した長嶋氏は左手を上げ、満面の笑みで応えた。記念撮影を終え、退場時は「長嶋コール」が起きた。

 「巨人に入団して半世紀を過ぎ、自分自身の足跡を振り返ってもさまざまな喜怒哀楽が詰め込まれています」。熱く長いその野球人生に思い出は尽きない。

 東京ドームに訪れるのは3月29日の阪神との開幕戦以来。22年9月に自宅で転倒し、救急搬送されて脳内の出血があるために入院。その後は順調に回復し、歩行は困難なものの現在は入院先でリハビリに励む。関係者によると、こよなく野球を愛する姿は少しも変わらず、野球のテレビ観戦が日課。プロ野球だけでなく3月には選抜高校野球、大リーグ中継でもドジャース・大谷に注目しているという。そんな中、大きな期待を寄せるのが阿部新監督だ。自身の監督最終年のドラフト1位ルーキーで開幕からスタメンマスクを託した。「これからの10年、捕手に困らないように」と育成しただけに思い入れは強い。阿部監督は、勝利で応えて「(セレモニーで)“今日は勝てよ”と多分言ってくれたと思う。活を入れられました」と振り返った。

 「今日の日をほんと楽しみにしていた。そのうれしそうな、楽しみにしてる父を見るのが凄いうれしくて」と次女・三奈さん。「野球は人生そのもの」という長嶋氏の熱く燃えた野球人生がよみがえる一日だった。 (秋村 誠人)

《次女・三奈さん 背番号3で始球式》
 ○…長嶋氏の次女で、スポーツキャスターの三奈さん(55)がファーストピッチを務めた=写真。背番号3のユニホーム姿で登場。「父に代わって感謝の気持ちを伝えようと思ってマウンドに上がりました」と山なりの投球になったが、大役を果たした。父に始球式を務めることを報告した際には「笑っていました。“3番を着させてもらうけどいいかな”と聞いたら“いいよ、いいよ”と笑って了承してくれました」と明かした。国歌は長嶋氏の出身校・立大の体育会応援団吹奏楽部が演奏した。

 ◇長嶋 茂雄(ながしま・しげお)1936年(昭11)2月20日生まれ、千葉県出身の88歳。佐倉一(現佐倉)から立大を経て、57年オフに巨人入団。強打の三塁手として王貞治との「ONコンビ」で巨人の9年連続日本一に貢献、絶大な人気を誇り「ミスタープロ野球」と呼ばれた。現役17年間で首位打者6度、本塁打王2度、打点王5度。MVPに5度選ばれた。巨人の監督を通算15シーズン務めリーグ優勝5度、日本一2度。退任後は巨人終身名誉監督。04年アテネ五輪日本代表監督。88年に野球殿堂入り。右投げ右打ち。

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