【スポニチ調査ファイル(4)】須磨翔風・槙野遙斗 阪神・才木先輩の背中を追う大型右腕

[ 2024年5月3日 07:00 ]

須磨翔風・槙野
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 アマチュア野球の有力選手をリサーチする企画「スポニチ調査ファイル」第4回は、須磨翔風(兵庫)の槙野遙斗(3年)に迫る。1メートル83、85キロの恵まれた体格から、140キロ超の直球を投げ下ろす大型右腕。先輩に当たる同校OBの阪神・才木を目標に掲げ、その背中を追って「才木2世」襲名を志す。

 1メートル83、85キロ。その恵まれた体格を巧みに操り、左手を大きく振り上げて勢いを付け、体全体を使ってボールを投げ込む。須磨翔風・槙野は好投手が居並ぶ今年の兵庫県内でも屈指の本格派右腕だ。

 「夏に甲子園に出て注目されて、トレーニングを積んで、プロで活躍できるような選手になりたいですね」

 同校OBの阪神・才木の背中を追い、成長を続ける。週1回、授業として部活ができる「競技スポーツ」の2時間はその全てを体幹トレーニングに充て、毎休み時間にはおにぎりをほおばって増量を図り、練習後には学校近くのトレーニング施設で筋力強化に取り組む――これらは全て、高校時代に才木が取り組んでいたことだ。オフ期間に同校で自主トレをした先輩右腕の姿を観察し、ウエートトレーニング後に体幹を鍛える習慣も身につけた。球速アップと体の開きを抑えるために、昨秋の近畿大会からは腕の縦振りを意識。結果、才木のように左手を大きく振り上げるフォームとなったことも「たまたまですけど、気に入っています」と笑う。

 「中学では目立った成績を残せなくて」2学年上の兄・時斗(中大)が在籍し、私学に劣らない設備も整っている公立の実力校・須磨翔風に進学した。1年夏から背番号20でベンチ入りし、2年春からは背番号1を背負った。昨秋の兵庫大会で準優勝し、初の近畿大会出場と8強入りの原動力となった。140キロ超の直球にスライダー2種類、カーブ、チェンジアップを織り交ぜ、打者を手玉に取る投球が持ち味だ。

 最も自信がある球種は「ストレートと言いたいですけど…」と前置きしつつ、2種類のスライダーを挙げる。球速は同じだが、回転のかけ方を変えることで差別化。三振を狙う際は打者の手元ギリギリで変化させ、カウントを稼ぐ場合は変化量を大きくする。指先の感覚がすぐれている点も、大きな長所と言える。

 前身である神戸西OBの中日・福、才木らを指導した中尾修監督からも「高校からか、大学をへるか、社会人をへるかは分かりませんが、十分にプロを狙える素材」と大きな期待を受ける槙野。「今は高卒で(プロに)行くことを目指しています」と言葉に力をこめた。(惟任 貴信)

 ◇槙野 遙斗(まきの・はると)2006年(平18)8月4日生まれ、兵庫県神戸市出身の17歳。丸山ひばり小1年から野球を始め、4年まで捕手。5年から本格的に投手。雲雀丘中では神戸球友ボーイズで投手。須磨翔風では1年夏から背番号20でベンチ入りし、2年春から背番号1。球種はスライダー、カーブ、チェンジアップ。50メートル走6秒9、遠投110メートル。1メートル83、85キロ。右投げ右打ち。

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