西武おかわり 田淵に並んだ歴代11位タイ通算474本塁打「素直にうれしいし、早く抜けるように」

[ 2024年4月30日 05:30 ]

パ・リーグ   西武4―5ソフトバンク ( 2024年4月29日    みずほペイペイD )

<ソ・西>4回、ソロを放つ中村剛(撮影・岡田 丈靖)
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 投手の平均球速が上昇の一途で、近年は打者よりも投手の進化のスピードが速い。そんな時代の流れに負けじと、40歳の西武・中村剛がレジェンドに肩を並べる一発だ。0―1の4回2死でスチュワートの内角154キロ直球を捉え、左越えに3号ソロ。「(空振り三振の)1打席目は直球が凄く速かったので、何とか直球を打ちたかった」と胸を張った。

 芯で打てばファウルとなることが多い厳しいコース。左肩を開かず、左肘を抜いて体を鋭く回転させた。「完璧ではないけど、うまく打てた」と納得の一発。嶋打撃コーチも「天性の体の柔らかさがある。まねできない技術だし、これぞプロという一発」と称えた。

 今季150キロ以上の球には6打数無安打と苦戦していた。打率・258、17本塁打だった昨年も打率・222で1本塁打。ロッテ・佐々木ら常時160キロ前後の直球を投げる投手が増えてきたことで、詰まらないための対策でオフに「トップスピン」打法に挑戦。「ボールの上を叩いてバットを下に潜らせるイメージ」という打撃を繰り返し剛速球への苦手意識も減少。この日の打球はトップスピンではなかったが「今年は速い直球を捉えられていなかった。今日はいい直球を打てた」と確かな感触が残った。

 これで球団OBの田淵幸一氏(スポニチ本紙評論家)に並ぶ通算474本塁打。1メートル86、90キロの同氏に比べ1メートル75と大柄ではないが、天性の技術で本塁打を積み重ねる。過去にラジオ番組で共演したこともあり「体もでかいし、人としても大きさを感じるような方。素直にうれしいし、早く抜けるように」と見据える。

 チームは9回の2点リードを守れず、球団初となる同一カードでの3試合連続サヨナラ負けで今季最多の借金9。前日の捕手・古市の捕逸によるサヨナラ負けに続くショッキングな敗戦となった。苦しい状況は続くが、和製大砲は西武ファンに明るい話題を届ける。(福井 亮太)

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