広島・九里 7回無失点も今季初勝利ならず 開幕投手で勝ち星なしはヤクルト・サイスニードと2人だけ

[ 2024年4月29日 07:00 ]

セ・リーグ   広島0ー0中日 ( 2024年4月28日    バンテリンD )

<中・広>力投する広島先発の九里(撮影・椎名 航)
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 広島は28日、敵地で中日と延長12回の死闘を演じた末に、0―0で引き分けた。今月だけで3度目のスコアレスドローに終わった一戦で、九里亜蓮投手(32)が7回4安打無失点と好投。4イニングで得点圏に走者を背負いながらも要所を締めた。味方の援護に恵まれず、今季5試合目でも初勝利はお預けとなったが、前回19日の巨人戦から13イニング無失点と好調を維持。次回登板に向けて手応えをつかんだ。 九里は再三のピンチを粘り切った。相手先発・高橋宏との我慢比べ。若き右腕に一歩も譲らず、7回99球を投げて無失点に封じた。

 「野手の皆さんがしっかり守ってくれた。自分の勝ち負けよりも、チームが勝てるような投球をするのが大事。次に向けて修正するところもあるので、しっかり準備していきたい」

 今季は11年目で初の開幕投手を務めたが、試合前まで4試合で0勝2敗、防御率4・05と本領を発揮できていない。5度目の登板となった今回も、決して楽な展開ではなかった。3回は1死一塁から、岡林をシュートで三ゴロ、続く田中はスライダーで遊ゴロに仕留めて踏ん張った。140キロ台中盤の直球を軸に、変化球は120キロ台のチェンジアップ、スプリットチェンジが中心。ただ、要所ではシュート、スライダー、カーブなども駆使して、スコアボードに0を並べていった。

 5~7回にかけては毎回得点圏に走者を背負った。6回2死三塁では中田を142キロのシュートを内角低めに投じて遊ゴロに打ち取り、本塁を踏ませなかった。「試合の中で(捕手の)坂倉といろいろ話をしながらやっていた。いろいろな球を使って抑えられた」とうなずいた。

 6回無失点だった前回19日の巨人戦から投球フォームを変更。セットポジションから、軸足の右足に体重を乗せる時間を長くして2段モーション気味の投球フォームに変えた。「投げている映像を見ると、全部勢いだけで投げてる感じがしていた」と下半身の使い方を含めて、見直した。その成果は結果にも直結し、目下13イニング無失点と好転。新井監督も「前回も凄くいい投球で、今日も本当にナイスピッチングだった」と目を細めた。

 この日は味方の援護に恵まれず、またも初勝利はお預け。今季の開幕投手で未勝利は、ヤクルト・サイスニードと九里の2人しかいない。それでも、明るい光はすぐ近くに見えている。(長谷川 凡記)

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