【落合×福本豊対談】すりこぎバットは野村克也氏からの系譜「横からパクリしたみたいな感じ」

[ 2024年4月29日 17:00 ]

対談後に記念撮影をする落合博満氏(左)と福本豊氏(撮影・大城 有生希)
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が29日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。大好評対談企画「博満の部屋」の第7回目として、当時世界記録だったプロ通算1065盗塁を誇る「世界の盗塁王」こと福本豊氏(76)をゲストに招いて対談を行った。

 落合氏は福本氏の重量バットについて質問。番組内では福本氏が現役時代に1060~1080グラムのバットを使っていたことが紹介された。落合氏のバットと比較すると、すりこぎ棒のような太い形状が特徴的だった。落合氏が「このバットは(元南海の)藤原(満)さんから」と振ると、福本氏は「そう。僕が横からパクリしたみたいな感じでね、最初ノムさん(野村克也氏)がこれよりもっと重たいバットを(使っていた)。満さんが“おまえ、このバット使うんやったら試合で使ったる”って言われたらしい。満さんが打ってるのを見て、(阪急の)大熊(忠義)さんが楽に見えたんですね。“おい、ちょっと満貸せ”って。それを大熊さんがそれを試合前の練習で打ったら“これ楽やがな。コンと打つだけで音がええし、打球も速いし、バットも簡単に折れへんやろ”って借りたのが最初のきっかけで。それを使ってるのを見て、僕も1本おもしろいから貸して」と重量バットを導入した経緯を説明した。

 試合で使用したのがロッテ戦だったという。「大熊さんから借りて、練習で使ったらものすごい楽で、カンっていくので。ロッテ戦、ピッチャー村田(兆治)やったんですよ。アウトコースを勝手にコンといったらライナーでフェンスに。捕られたんですけども、これは楽でええわ。思い切り振らんでもええ。腰でゴツンといくだけで。ぶわーっと振ってるんやろうけども、それだけでこの打球いくんやったらおもろいなと思って使ったのがきっかけで。それから(用具を提供する)ミズノさんに言って(自分用に)変えていって。使ったのは10年くらいしてからかな」と当時を振り返った。

 重量バットに出会うまでは軽量バットを使っていたという。福本氏は「それまでは940グラムか944グラムか。ちょっと(グリップを)余してもうちょっと細いタイカッブ型のバットを使ってた。確かに重いですね。1060~1080グラムの間って言うて。ええ加減やね」と20グラムの誤差は気にしなかったことを笑顔で明かした。落合氏は「オレでも940~960グラムくらいのバットを使ってたけども、当時1キロ超えるバットっていうのは外国人だけですよね」と驚いた様子だった。

 福本氏は「僕は(グリップを)余すので、振るときにこんなん(ヘッドが下がる)ならへんですね。これを目一杯振るなんて無理」と操作性を高めるために短く持ってコンパクトなスイングを心がけていたという。西本幸雄監督からも「腰で振るんや」と助言を受けており「これは重いから手で振れないし、大熊さんなんかは“調子が悪くなったら(整備用の)トンボを持って振ったら下で粘ってやらなあかんやろ”って。それの短いバットやね」と説明した。

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