レッドソックスの元球団社長ルッキーノ氏が死去 78歳 偉大な功績を残した「球界きってのビジョナリー」

[ 2024年4月3日 10:17 ]

ラリー・ルッキーノ氏(AP)
Photo By AP

 レッドソックスの元球団社長ラリー・ルッキーノが2日(日本時間3日)に78歳で亡くなったが、スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が「球界きってのビジョナリーだった」と功績を称えている。

 一つの功績は球場。1992年にはボルチモア・オリオールズの球団社長として、ダウンタウンのカムデンヤードに懐古調の新球場を建設、大成功を収めたことで、その後MLBに新球場建設ラッシュを呼んだ。95年からサンディエゴに移り、ペトコ・パークのプロジェクトを推進し、01年12月からはボストンでフェンウェイパークの改装プロジェクトを進めた。一連の新球場建設ラッシュで高い評価を得た建築コンサルタントのジャネット・マリー・スミスを野球界に導いたのもルッキーノだった。

 セオ・エプスタインをGMとして成功させたのもルッキーノだった。2人はエプスタインがオリオールズの広報アシスタントだった時に出会った。その後、ルッキーノが球団社長としてパドレス、レッドソックスと移るたびに連れて行った。レッドソックスが28歳のエプスタインを野球史上最年少のGMとして雇うことになったのは、ルッキーノの後押しがあったからだ。聡明なエプスタインは04年、07年と同球団を世界一に導き、12年からカブスに移籍。16年にシカゴにワールドシリーズタイトルをもたらした。
 ルッキーノは15年までレッドソックスの球団社長を務め、3度世界一になった。ライバルのヤンキースに対し、闘志むき出しで「Evil Empire(悪の帝国)」の用語を生み出したのもルッキーノだった。

 近年レッドソックスは低迷しており、過去4シーズンのうち3シーズンで最下位に終わった。ジョン・ヘンリーオーナーが補強にお金を使わなくなったことに批判が集まっている。ローゼンタール記者は「ルッキーノがいれば、そのような停滞を許しただろうか?」と問いかける。ルッキーノは常に全力疾走で、MLBを発展させた。先を見通すことができる球界きってのビジョナリーだったのである。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年4月3日のニュース