広澤克実氏 阪神・佐藤輝の特大弾はバースをほうふつ 完璧な打ち出し角度、打球速度、飛距離

[ 2024年2月24日 05:15 ]

オープン戦   阪神4ー9巨人 ( 2024年2月23日    セルラー那覇 )

広澤克実氏
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 【広澤克実 CHECK!】凄いとしか言いようのない阪神・佐藤輝の本塁打だった。打ち出し角度、打球速度、飛距離と、ここまで完璧な一発というのは、めったに見られない。

 自分の野球人生で左打者の特大弾としては85年10月9日、甲子園でのヤクルト戦でバースが高野光さんから打った右翼上段への一発が記憶に残る。私はヤクルトの一塁手としてその本塁打を見届けた。佐藤輝の一打もそれに匹敵する迫力があった。特に彼の懸案だった内角速球をしっかり捉えたことは大きな収穫。第1打席で打ち取られた直球を、一振りで仕留めてみせた。

 だが、3、4打席目は変化球への対応に課題を残した。5回はケラーの2球目のワンバウンドで落ちた球にバットが出かかるほど反応し、3球目に二ゴロ。8回も変化球を意識した結果、直球に見逃し三振に終わった。

 打撃というのは、もぐら叩きのようなもの。一つ良くなると、どこかに悪いところが出る。開幕まで1カ月。緩急、内外、そしてストライクとボール。自分がどれだけ対応できるか見極め、気になる部分を少しでも減らすしかない。その作業に地道に取り組めば、タイトルも見えるはずだ。(スポニチ本紙評論家)

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