選抜高校野球きょう26日、出場32校発表 日本航空石川は避難先の山梨県で吉報を待つ

[ 2024年1月26日 05:30 ]

旧増穂商グラウンドで練習後に炊き出しのカレーを頬張る日本航空石川ナイン(撮影・石丸 泰士)
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 第96回選抜高校野球大会(3月18日から13日間、甲子園)の出場32校を決める選考委員会が、きょう26日に大阪市の毎日新聞大阪本社で行われる。能登半島地震で学校が被災し、選抜出場の可能性がある日本航空石川(石川)は25日、集団避難先である山梨県の富士川町で全体練習を行った。きょうは同甲斐市内にある日本航空山梨キャンパスで吉報を待つ。

 能登半島地震で学校が甚大な被害を受けた日本航空石川ナインは学校のある石川県輪島市ではなく、集団で避難生活を送る山梨県内の系列校のキャンパスで選抜出場の吉報を待つ。宝田一慧主将(2年)は「選ばれたら全力でプレーしたい。被災者に勇気と元気を与えたい」と誓った。

 困難な避難生活を続けるナインに支援の輪が広がっている。チームスタッフが震災の爪痕が残る学校の寮からかろうじて運び出した野球道具はわずか。そんな状況で中村隆監督の母校でもある明大野球部からグラウンドの整備用具が届いた。

 21日には、かつて明大野球部に在籍し、元プロ野球選手で俳優の八名信夫(88)から関係者を通じ「明治の後輩が困っているなら、なんでもしてやる」と支援の申し出があり、近日中に数十ダースのボールが届く予定。中村監督は「母校のありがたみを感じている。知らない方からもたくさん連絡を頂いています」と感謝する。

 19日に練習拠点となる旧増穂商グラウンドで全体練習を再開。この日の練習後にはグラウンドのある富士川町のホテルの厚意でカレーの炊き出しが行われた。部員67人のうち山梨に集まっているのは32人だが、LINEを使ってのミーティングや練習内容を報告し合うなど、連帯感は高まっている。

 この日、気象庁はこれまで6強と推定されていた輪島市門前町走出にある震度計でも震度7を観測していたと明らかにした。大きな被害を受けたが、周囲の温かいサポートもあり、部として活動を続けられている。きょう26日。故郷への思いと感謝を胸に、運命の瞬間を待つ。 (石丸 泰士)

 《「神宮枠」を含め北信越から3校選出》今春選抜から各地区の出場枠が、04年の76回大会以来20年ぶりに変更された。出場数は32校のまま、21世紀枠が1枠減って17年ぶりに2枠に。東北と東海は1枠増の3枠、中四国に割り振られていた1枠がなくなり、中国、四国は、それぞれ2枠になる。北信越の2枠は維持されたものの、昨秋の明治神宮大会で優勝した星稜(石川)に「神宮枠」が与えられるため、北信越から3校が選出されることになる。

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