ソフトバンク・今宮「僕らが脇役になるのが最高の仕事かな」 全試合出場し中軸生かす、お膳立て誓う

[ 2023年12月19日 06:00 ]

契約更改を終え、会見したソフトバンク・今宮(撮影・中村 達也)
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 狙うは脇役に徹しての10年ぶり全試合出場――。ソフトバンクの今宮健太内野手(32)が18日、球団事務所で契約更改交渉に臨み、昨オフに新たに結んだ推定年俸3億円プラス出来高の2年契約の2年目に現状維持でサインした。今季限りで選手会長の責務も終えた守備職人は、遊撃手のレギュラーとして14年以来2度目の全試合出場と、新打線を支えるため脇役に徹する構えを示した。

 来季も遊撃手のレギュラーの座は誰にも渡さない。ただ、V奪回に向けて攻撃では黒子役的な存在でもいい。西武から同学年の山川のFA移籍での加入が決定しており、むしろ今宮は理想形だと捉えていた。

 「近藤、ギータさん、新たな人たちと数名のいい核となる主役の打者をいかに生かすか。僕らが脇役になるのが最高の仕事かな。仕事ができれば点が入っていくし、僕らが鍵」

 今季レギュラーシーズンは3位。オリックスに独走を許し、ロッテにまくられ2位も逃した。「オリ、ロッテに力を見せられたと感じる1年。そこを倒していけるように」。小久保新監督が明かしているレギュラー当確者は柳田、近藤のみ。「毎年が勝負の年。何歳までできるか分からないし、まずはレギュラー獲り」。鉄壁の守備は、32歳になっても変わらない。ならばと来季に向け重きを置くのが打撃での貢献度。歴代4位で現役最多となる370犠打を誇る今宮は、チームが勝つため、あえて脇役に徹するつもりだ。

 「つなぐ、送る、出塁の3つが仕事。足りないところ、脇を打つのが大事。とりあえずは塁に出ておけば、何とかしてくれるんやないかな」

 新打線に欠かせないピースとなるために、試合にも出続ける思いも強い。今季は126試合に出場。けがはなかったが、病気での離脱があった。一方、主将だった柳田が35歳で143試合に出続けたことは刺激となった。「柳田さんが今年35歳で全試合に出た。来年は挑戦したい」。プロ15年目の新たな目標。それは、14年に144試合に出場して以来10年ぶり2度目の全試合出場。「衰えはある」と体の変化はあるが再び体にムチを打ち、追い込む。

 背中にかかる重荷、責務も少し軽くなった。今季限りで、選手会長の役を周東に託した。「会長じゃなくなったし、来年からは自分のことだけに集中できる。集中してキャンプに挑みます」。遊撃手のレギュラーをつかんでの堅守から、打席では脇役での貢献で全試合出場。「得点が入っていくには、僕らが鍵を握る」。願うのは打線のつながりの良化と大量得点。その実現のため、今宮は新たな任務を見つけていた。 (井上 満夫)

 《初の3割狙う》今宮は自身初の打率3割へのチャレンジは継続して行うことを誓った。キャリアハイは22年の同・296。4厘差を埋めるべく挑戦した今季は同・255に終わった。「僕的には“やれた”という記憶はない。今年できなかったし、常に(3割は)目標」。33歳シーズンの来季も引き続き高みを目指す。

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