万波弾で侍決勝進出「140点満点」宿敵韓国に勝利し予選L2位以上確定 代表定着へ「第一歩」

[ 2023年11月18日 05:20 ]

アジアプロ野球チャンピオンシップ2023第2戦   日本2―1韓国 ( 2023年11月17日    東京D )

<日本・韓国>4回、ソロを放つ万波(撮影・藤山 由理)
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 2017年の第1回大会に続く連覇を狙う侍ジャパンは17日、予選リーグ2試合目の韓国戦に2―1で勝利。2連勝で2位以上が確定し、19日の決勝に進出することが決まった。「6番・右翼」で出場した万波中正外野手(23)が1―0の4回に「侍公式戦1号」となる中越えソロ。過去の国際大会で何度も激闘を繰り返した宿命のライバルとの決戦で、成長株が輝きを放った。

 韓国の同世代の選手たちと胸と胸を突き合わせた戦い。1―0の4回。万波は「まじ強えな…」と実感しながら打席に入った。相手の李義理(イ・ウィリ)は3月のWBCにも出場。侍ジャパン戦では大谷(エンゼルスからFA)の内角に厳しい球を投げ込み、鋭い視線を向けられた21歳の強心臓左腕だった。

 「どうしても“侍ジャパンで一本打っておきたい”と思っていた。最高にうれしい。我ながらいい一本」

 130メートル弾はバックスクリーンで弾んだ。146キロの直球を捉え「140点満点」と自画自賛の侍公式戦1号だ。今大会は井端監督に自ら6番起用を希望し、了承された。中軸は各球団から集った好打者に任せ、ここぞで勝利につながる一打を放つためだ。自らの立ち位置や役割を見極め、宿命のライバルとの一戦で一発。これで国際大会での日韓戦は7連勝となった。

 3月4日。WBC壮行試合の中日戦に「サポート侍」で参加した。東京都出身で「練馬区代表止まり」と国際大会には縁がなかった23歳は試合前練習では日本ハムOBでもある大谷のフリー打撃を正座しながら見学。「あんなに打球が飛ぶのかと、ぶったまげた」と驚き、目標とした。同戦では途中出場で中堅左へ運ぶ一発。偉大な先輩へのアピールに成功すると、その後のシーズンで25本塁打を放ちブレークを遂げた。

 この日、その大谷は2度目のア・リーグMVPに輝いた。万波は「本当、凄いなということばかり。日々刺激は受けている」と言う。WBCで世界一奪還に貢献した大谷のように、貴重な一発を放って侍ジャパンを勝利に導いたが、間近で見た大谷の規格外の打球を思い出し「まだまだ」と表情を引き締めた。

 「フル代表に食い込んでいける第一歩だと思って、結果を残したい」と万波。チームは2連勝で決勝進出を決めた。日の丸の誇りを胸に、頂点に立つ。(神田 佑)

 ≪韓国と台湾は勝った方が決勝に進出≫日本が2連勝で決勝進出一番乗りを決めた。今日オーストラリアに敗れると2勝1敗。1勝1敗の韓国と台湾には並ばれる可能性はあるが、直接対決のため両チームが日本に並ぶことはなく2位以上が確定した。韓国と台湾は勝った方が決勝に進出。引き分けの場合は両チームのTQB(得失点率差)比較で順位が決まる。すでに2敗のオーストラリアは3位決定戦に回る。

 ▽WBCでのサポートメンバー 3月3、4日の中日との壮行試合に向け、日本ハム・万波、ロッテ・岡、藤原がサポートメンバーとして合流。大会規定で吉田らメジャー組が6日の阪神との強化試合からしか出場できず、外野手が手薄なために招集された。2月の宮崎合宿では巨人・重信、松原、西武・西川がサポートメンバーとして参加した。

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