イチロー氏に指導受けた高校生驚き 父と同世代も「すごい動く」 現役時代の姿はYouTubeで

[ 2023年11月6日 16:45 ]

野球部員と一緒にキャッチボールするイチローさん(手前)=2023年11月5日、北海道旭川市の旭川東高校(代表撮影)
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 マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(50)が4、5日の2日間にわたり、旭川東(北海道)で選手指導を行った。

 イチロー氏が高校生を指導するのは、20年の智弁和歌山、21年の国学院久我山、千葉明徳、高松商、22年の都新宿、富士高に続き7校目。

 古巣・オリックスと阪神が対戦した日本シリーズに配慮したいという意向により、6日に指導したことが公表された。

 同校は、過去10度も北北海道大会の決勝に進みながら甲子園には届かず、昨夏53年ぶり11度目の決勝進出を果たすも再び敗退。2021年の大みそかに旭川東高の関係者から「悲願を叶えたい」との指導を依頼を受けたといい、「悲願を叶え未来の礎となるきっかけを残せたら」と訪問を決めたという。

 ウォーミングアップから選手に交じり、矢継ぎ早に来る質問に答えながら指導したイチロー氏。練習の合間には選手と雑談。「みんなのお父さんいくつくらい?」と聞き、45歳くらいという答えに「俺50になったんだけど、お父さんの感じ?」と苦笑。

 「年齢的には…でもすごい動く」と驚く選手に「一応野球選手だから笑。引退してまもなく5年。2024年3月で。現役は見てないんだ?リアルタイムでは。ついにそういう世代になってきたんだよねー」と時間の経過の早さをしみじみと感じた様子。

 選手はイチロー氏のプレー姿をYouTubeなどで見ていたと聞き「そっかー。頑張るわー笑。どうしたってそうなっていくからね」と笑った。

 肩が強いイメージがあると語る選手に「俺、結構いろんなことできるからね」と気さくに話しかけ、「ヒットの割合に対してホームランは少ないけど、でも日米で200本以上打っているから。95年はホームラン王まで届かなかったけど、25本で2番手だった。打点王ですからね。80で、少なかったけど。いろいろできるんです」と語って笑いを誘う一幕もあった。

 旭川東は北海道旭川市にある公立(道立)の高校。1903年開校の北海道庁立上川中学校を起源とする伝統校で、通称は「旭東」「東高」。旧制旭川中学校時代はビクトル・スタルヒン氏の母校として知られる。スタルヒン氏はエースとして北海道大会で33、34年と準優勝して3年で中退。巨人の前身・大日本東京野球倶楽部に入団、初の300勝投手となった。

 主な卒業生は、プロ野球選手では干場一夫(大阪タイガース)、本間哲郎(大洋ホエールズ)、スポーツ選手には陸上・やり投げの北口榛花ら。

 学生野球の指導には、原則としてプロ球団を退団する必要がある。だが、イチロー氏の野球界への功績の大きさや、アマ選手の獲得に携わる立場でないことを踏まえ、日本学生野球協会が特例を容認。イチロー氏は2019年12月に学生野球資格回復制度の研修会を受講し、20年2月に資格を回復。マリナーズでの活動がないオフシーズンに限り、高校生や大学生への指導が可能となり、以来各地の高校で指導している。

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