阪神・岡田監督 奇襲不発で敗北も割り切る「まあしょうがないやんか、そんなもん」

[ 2023年11月5日 05:15 ]

SMBC日本シリーズ2023第6戦   阪神1ー5オリックス ( 2023年11月4日    京セラD )

<オ・神>阪神・岡田監督(撮影・須田 麻祐子)
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 王手をかけて乗り込んだ一戦に敗れた。オリックス・山本にシリーズ最多記録を更新する14三振を奪われて完投を許した阪神・岡田監督は、割り切った。

 「まあしょうがないやんか、そんなもん。3勝3敗になったんやから」

 今季最も作戦で動いたと言っても過言ではないだろう。2回にノイジーのソロで先制し、なおも2死一、三塁で、坂本の初球にセーフティーバントを命じた。ファウルに終わったものの、2死からの意表を突く仕掛けが、積極采配の始まりの合図になった。

 1点を追う4回1死一塁では、木浪に初球ヒットエンドランを指示。左前打で、好機を一、三塁に拡大した。思えば初戦の5回無死一塁でも佐藤輝がノイジーの打席の初球に二盗を決め、山本攻略の足がかりをつくった。再び、3年連続「パの投手4冠」を揺さぶった。しかし、後が続かない。坂本が初球のセーフティースクイズをまたしてもファウル。この回の無得点が響いた。中盤以降は、ほぼ完全に封じられた。

 奇襲を得点につなげられなかった。作戦について、「いや別に動いてないよ。そんなんは」と多くを語らなかったものの、「だから最初に崩したいよな」と無念さもにじませた。序盤に出なかった、あと一本。「まあそんなん、今さら言うてもしゃあないよ。別にもう、(山本は)1年ぐらい会えへんわ」。ターゲットを、すぐに第7戦へと切り替えた。

 3月31日の京セラドーム大阪での開幕投手を任せた青柳を先発に立てる。「最後に京セラというのは。ピッチャーも一緒やから、いいやんか」。ビジターにもかかわらず、この日も球場の半分近くを阪神ファンが埋めた。泣いても笑っても、次の試合に勝った方が頂点に立つ。いざ、最終決戦。虎党の期待を一身に背負い、采配を振る。(倉世古 洋平)

 ○…日本シリーズが3勝3敗(引き分けありを含む)となったのは13年以来22度目。過去21度のうち、今季のオリックスのように追いついたチームの日本一が11度に対し、追いつかれたチームの日本一も10度とほぼ互角だ。勝った方が日本一に輝く第7戦は、13年の楽天(初V)―巨人以来10年ぶり。初戦で阪神が8―0勝利、2戦目にオリックスの8―0勝利返しで始まった今シリーズだが、ここまで総得点は23―23の全くの五分。第6戦終えて総得点が五分だったのは、前回「関西シリーズ」の64年南海―阪神以来、59年ぶり2度目で、前回は19―19だった。

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