3年連続の日本シリーズへ、オリックスが王手 決勝打の若月「中学校の体育祭を思い出し」激走生還も

[ 2023年10月21日 05:40 ]

パCSファイナルS第3戦   オリックス2ー0ロッテ ( 2023年10月20日    京セラD )

<オ・ロ(3)>8回に2点目が入り、大喜びの中嶋監督(中央奥)とオリックスナイン(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 「2023 パーソル クライマックスシリーズ(CS)パ」のファイナルステージ(S)は20日の第3戦でリーグ優勝のオリックスが2位のロッテを下し、アドバンテージを含む3勝1敗として3年連続の日本シリーズ進出に王手をかけた。若月健矢捕手(28)が8回に均衡を破る先制の決勝打を放ち、レギュラーシーズンでは2度敗れたブルペンデーを打ち破った。

 若月が打って、走って、転がって、投手陣を引っ張った。ユニホームにべったりついた土が勲章だ。打っては8回の決勝打を含む3安打、守っても「ブルペンデー」だったロッテに5投手の継投で対抗して零封勝利に導いた。

 「絶対決めてやろうという気持ちで打席に入って、食らいつきました」

 8回2死三塁でカウント2―2から西村の外角スプリットを執念で左前に転がす先制の決勝打。続く頓宮の左翼線二塁打では「中学校の体育祭を思い出しました」と一塁から激走し、転がるように2点目の本塁に滑り込んだ。

 ロッテにはレギュラーシーズンで2度「ブルペンデー」で敗れていた。小刻みな継投に三たび苦戦し、2度の満塁機を逃すなど6回までに10残塁を数えた。球場に嫌な空気が漂い始めた終盤。泥くさく突破口を開いた。

 同学年の森という強力なライバルが加入した今季は2人で競い合い、高め合いながらリーグ3連覇を成し遂げた。先発マスクは森の56試合をしのぐチーム最多の83試合。森の離脱中はフル回転でチームの独走に貢献し、課題だった打撃も規定打席に未到達ながら打率・255、自己最多6本塁と奮闘した。今季国内FA権を取得しても2年連続日本一を狙う「シーズンに集中したい」と9月には早々に残留を表明した。

 2勝はともに若月がマスクをかぶった第1、3戦でつかんだ。攻守に頭脳を酷使するポジション。シーズン終盤から好んで摂取するラムネ菓子はいつもの倍の4本を食べ、「糖分をしっかりとって頭を働かせて。ラムネの数が増えたのがよかったんじゃないですかね」とうなずいた。全てを出し尽くした会心の勝利。「本当に最高の一日ですよね。決勝点で、0点に抑えて」と笑った後に「切り替えます。明日はもう始まっているんで」と勝負師の顔に戻った。 (中澤 智晴)

 ≪オリックス、今季ブルペンデーのロッテとの対戦結果≫
 ★5月18日(ZOZOマリン) 広畑(2回)→岩下(1回)→東妻(2回)→西村(1回)→ペルドモ(1回)→小沼(1回)→坂本(2/3回)→益田(1/3回)の8人継投に対して7安打、9回ゴンザレスの適時打の1得点のみ。先発の山崎福が3回に先制を許して1―5の敗戦。
 ★10月6日(ZOZOマリン) 沢村(1回)→横山(1回)→中村稔(2回)→中森(1回)→坂本(1回)→西村(1回)→東妻(1回)→佐々木千(1回)の8人継投に対して5安打、6回杉本の犠飛による1得点のみ。先発の竹安が4回途中4失点KO。7回には黒木が5失点など1―12の大敗。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年10月21日のニュース