阪神・中野は“短期決戦の鬼” 社会人&WBCで一発勝負の経験値高く 「初戦、いい入りができれば」

[ 2023年10月6日 05:15 ]

帰阪する阪神・中野(撮影・大森 寛明)

 阪神・中野が早くもポストシーズンを見据えた。自身初の打撃タイトルとなる最多安打を獲得した4日のレギュラーシーズン最終戦から一夜明け、18日に開幕するCSファイナルSへ向けて決意を新たにした。

 「個人もそうだが、チーム全体がどういう雰囲気、勢いで入っていくか、というのが大事。何とか初戦、いい入りができればいい」

 一発勝負の社会人野球出身。さすが、肝が据わっている。今年3月の第5回WBCでは、右手小指を骨折し、一時離脱した源田(西武)の穴を走攻守で埋めて打率・300。2盗塁も決め、世界一奪還に貢献した。幾度となく“負けたら終わり”の死闘をくぐり抜けてきた男は「短期決戦の鬼」とも言える。

 1年目の21年から2年続けて出場したCSでは、21年が巨人とのファーストSで打率・375、22年がDeNAとのファーストS、ヤクルトとのファイナルSで通算打率・320を誇った。ポストシーズンの通算は打率・333。日本シリーズにこそ届いていないが、背番号51の躍動は虎党の記憶に新しい。

 「1、2年目でCSは経験している。勝つ難しさも味わった。気持ちの準備というのは怠らずにやっていきたい」

 全試合フルイニング出場を果たした充実感、そして疲労感もその表情ににじませながら、中野は帰阪の途に就いた。2週間の調整期間を終えたとき、虎の安打製造機が「CS男」として聖地に降臨する。(八木 勇磨)

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