広島戦力外の薮田は現役続行希望「17年が一番の思い出」 岡田は育成契約を打診され熟考

[ 2023年10月6日 05:45 ]

広島市南区の球団事務所で戦力外通告を受けた広島・薮田

 広島は5日、岡田明丈投手(29)、薮田和樹投手(31)、三好匠内野手(30)、育成の木下元秀外野手(22)、行木俊投手(22)、中村来生投手(20)の6選手に、来季の契約を結ばない旨を通告した。17年に15勝を挙げ、勝率第1位のタイトルを獲得した薮田は現役続行を希望。同じく17年に12勝の活躍を見せた岡田は球団から育成での再契約が提示された。

 16年からのリーグ3連覇を支えた薮田、岡田がスーツ姿で球団事務所を訪れた。球団は戦力外を通告。薮田は神妙な面持ちで、在籍した9年間を振り返った。

 「ここ数年は覚悟していた。1軍に上がれない悔しさや、結果が出ない悔しさもあったが、野球ができる状況は楽しかった。3連覇というタイミングで野球ができ、2連覇の時はタイトルも獲れた。17年が一番の思い出」

 3年目の17年は15勝(3敗)を挙げ、初のタイトルとなる勝率第1位に輝いた。先発、中継ぎのフル回転で38試合に登板してリーグ連覇に貢献。しかし、近年は若手の台頭とともに、成績不振に陥り、今季は救援で3試合の登板に止まっていた。広島市生まれで、幼少期から生粋のカープファン。戦力外という形でチームを去るが、当然ながら感謝の思いも強い。

 「プロ野球を目指すきっかけはカープ。そこで野球ができたのは本当に幸せで、夢のような時間だった」

 今後は現役続行の道を模索して、11月の12球団合同トライアウトを受ける予定だ。「まだできるという気持ちが強い。次を見て頑張っていきたい」と熱い思いを吐露した。

 くしくも薮田と同じで17年に12勝をマークし、リーグ優勝に貢献した岡田も厳しい現実を叩きつけられた。

 「1軍で投げることを目標にしてきた中で、思うようにいかないことが多くあった。リハビリで止まっている形なので、もうちょっとやれたのかなというのはある」

 21年10月の「右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)」から、今年2月に実戦復帰を果たすも、ウエスタン・リーグでは19試合の登板で0勝1敗、防御率6・75。球団からは育成での再契約が提示されたが、熟考する意向を示した。

 「一回持ち帰ってというか…。育成で、もう一年頑張るか、トライアウトを受けて、違う道に行くか、自分で考えてみてと(球団から)言われた」

 チームは14日からクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを控える。熱い戦いの舞台裏で…。黄金期を支えた両右腕の去就をコイ党は注目している。(長谷川 凡記)

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年10月6日のニュース