巨人担当キャップが見た阿部慎之助という男 チームの若返りに生きる「主砲&扇の要」の経験値

[ 2023年10月5日 05:30 ]

<巨・D>10勝の山崎伊(右)は阿部コーチと喜び合う (撮影・西川祐介)
Photo By スポニチ

 「打者・阿部」は物事をポジティブに考えていた。コーチ就任後、満塁機で凡退した打者にはどんな心境で打席に立ったのかを聞いた。「最初から外野フライを狙って…」などという言葉を聞くと「ダメダメ。そんなのは追い込まれてから考えろよ。俺なんか、おいしい場面回って来ちゃったなって思ってたぞ」。チャンスなのにピンチの心境になる若手が多い。その意識を変えたかったのだろう。

 「捕手・阿部」は最悪のケースを考えながらマスクをかぶっていた。点差や試合展開で単打ならOKなのか、ソロ本塁打ならOKなのか。投手と打者の兼ね合いも頭に入れながら、リードしていた。

 現役時代にコーチに叩き込まれたのは「初球の入り方」だった。手痛い一打を浴びたことは数え切れない。それでも、失敗から多くのことを学んできた。

 攻守の経験値は、指導者になっても必ず生きる。若返りを図るチームにとって、適任だと思う。(川島 毅洋)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年10月5日のニュース