巨人・阿部新監督でV奪回 球団初捕手出身監督、球団創設90周年の来季原監督のスローガン実現へ

[ 2023年10月5日 05:30 ]

<巨・D>原監督(左)からマイクを渡された阿部コーチ(撮影・島崎忠彦)
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 今季最終戦後のセレモニー。原監督の後に、マイクを受け取った阿部新監督は、決意表明の前にファンに頭を下げた。

 「まずごあいさつさせていただく前に、今年度、巨人軍は優勝争いすることができず、ファンの皆さまに大変申し訳なく思っております。大変申し訳ございませんでした」

 ヘッド兼バッテリーコーチとして原監督の参謀役を務めた。攻撃、ディフェンス両面で思うような結果が出せなかった責任を感じていた。そして、新監督としての顔になった。

 「常勝軍団で、伝統ある巨人軍の最多勝利数監督の原監督より、大役を受け継ぐことになり、とてつもない重圧を感じ、身の引き締まるところです。強い巨人軍、愛される巨人軍をつくるべく、チーム一丸となって戦っていく所存です」

 原監督との会談の席で、次期監督として阿部コーチの名前を推された山口寿一オーナーは「原監督としては、自分の後のバトンを託すのは阿部慎之助君しかいないと思っていた。それは私たちの考えと一致していた」。

 阿部新監督は19年限りで現役を引退し翌年から2軍監督に就任。昨年から1軍コーチとなり階段を上がってきた。同オーナーは「とにかく勝たないといけない。強いチームをつくっていく」と巻き返しへの思いを新監督に託した。

 「まだ決めていないが、1年契約ということはありえない」とフロントとしても腰を据えたチームづくりをサポートする考えだ。

 打者として通算2132安打、406本塁打をマークしただけではなく、捕手としても4度のゴールデングラブ賞。シドニー、北京両五輪や09、13年の2度のWBCなどさまざまな国際舞台での経験を積んできた。

 来季は球団創設90周年の節目で、捕手出身監督は長い球団の歴史で初めてとなる。芽吹きつつある若手たちと、実績ある中堅・ベテランをどう融合させられるか。荒波の中、重責を背負ってチーム再建の先頭に立つ。(川島 毅洋)

 ◇阿部 慎之助(あべ・しんのすけ)1979年(昭54)3月20日生まれ、千葉県出身の44歳。安田学園から中大を経て00年ドラフト1位(逆指名)で巨人に入団。12年に首位打者、打点王でMVPを獲得。ベストナイン9度、ゴールデングラブ賞4度受賞。通算2132安打で打率.284、406本塁打、1285打点。五輪は00年シドニー、08年北京、WBCは09、13年に出場。19年限りで現役を引退し20年から2軍監督、昨季は1軍の作戦兼ディフェンスチーフコーチ、今季はヘッド兼バッテリーコーチを務める。

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