井端侍新監督WBCで熱狂の国民を「また熱くさせたい」任期は24年プレミア12まで

[ 2023年10月5日 05:00 ]

質問に答える井端弘和新監督(撮影・会津 智海)
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 中日、巨人で活躍した井端弘和氏(48)が4日、侍ジャパンの新監督に就任し、都内ホテルで記者会見に臨んだ。契約は来年11月の「プレミア12」までが前提で、大会ごとに契約を更新していく。15歳以下の代表監督を兼務することも発表され、トップチームの監督が学生世代と兼務するのは初めて。3月のWBCの熱を引き継ぎ、国民を熱狂させることを誓った。

 若い世代のパワーに、プロの緻密さを融合させた野球を理想に掲げた。「パワー+スモールベースボール」。井端新監督はU15代表と兼務で夢を追う。

 「WBCで全国民が熱い思いになった。侍ジャパンの結束力を最大限に生かし、全国の野球ファン、国民をまた熱くさせたい」。世界一を奪還したWBCではパワーでも米国や中南米勢に引けを取らなかった。「打つ方でも世界にだいぶ近づいている。(それに)緻密な日本野球を融合していければ」と語った。

 1メートル73と小柄で、幼少期から小技を求められてきた。時代は変わり、同じ身長でもレッドソックス・吉田のような長距離砲も現れた。井端氏は新時代の育成法を掲げ、8月に指揮したU12W杯では9試合で本塁打数は米国の18本に次ぐ17本をマーク。企図はあったが、犠打はゼロだった。

 15歳以下の代表監督も兼務する。「トップチームは集大成であり各世代の夢。子供たちの思いを乗せて戦いたい」と思い描いた。

 契約は来年11月のプレミア12までが前提で、26年のWBCの体制は全くの白紙だ。「(WBCは)本当にまだ何も考えていない」と井端氏。初陣は24歳以下の選手が中心に出場する11月の第2回アジアプロ野球チャンピオンシップで「どのように戦うかしか頭にない」と目の前の一戦だけを強く見据えた。

 大会直前の宮崎・清武合宿から始動する。17年から侍ジャパンでコーチなどを5年間務め、21年東京五輪での金メダルに貢献するなど、国際大会の指導経験も豊富。「自分の持っているものを全て注ぎ、日本野球に恩返しする」と誓った。(神田 佑)

 ≪金子氏、村田氏、吉見氏に打診、梵氏、亀井氏も入閣へ≫30、40代のフレッシュなコーチ陣に世代交代する。ともに首脳陣で世界一の経験があるロッテ・金子誠戦略コーチ(47)、巨人・村田善則ブルペンコーチ(49)に入閣を打診。金子コーチはヘッド格で期待される。さらに、投手コーチとして中日OBで理論派の吉見一起氏(39)の入閣が有力。内野守備走塁コーチとして、オリックスの梵英心内野守備走塁コーチ(42)、巨人の亀井善行打撃コーチ(41)が外野守備走塁コーチとして代表に初入閣する見込みだ。

 ≪10年先から逆算≫侍ジャパン強化委員会の井原敦委員長は大会ごとに更新していくという契約形式について「10年先から逆算すると、1つの国際大会ごとにベストの日本野球を示すことが侍ジャパンのあるべき姿だと考えた」と説明した。26年のWBC後に開催が見込まれるのが27年のプレミア12で、28年のロサンゼルス五輪では野球が追加競技として復活する可能性がある。さらに29年には第7回WBCの開催も予想され、4年連続で国際大会が見込まれる。また、33年には第8回WBCが開催される可能性があり、まず直近の2大会を井端監督に託す。

 ◇井端 弘和(いばた・ひろかず)1975年(昭50)5月12日生まれ、神奈川県出身の48歳。堀越(東京)から亜大を経て、97年ドラフト5位で中日入団。荒木雅博との「アライバコンビ」で鉄壁の二遊間を築き、13年にWBC出場。同年オフに巨人に移籍し、15年に現役引退。通算1912安打、149盗塁、248犠打など堅実なプレーでゴールデングラブ賞7度、ベストナイン5度。巨人、侍ジャパンのコーチを歴任し、22年にU12日本代表監督に就任。右投げ右打ち。

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