西武・山川 フェニックスLで5カ月ぶり復帰へ 反省の日々に球団が実戦GOサイン

[ 2023年9月29日 02:00 ]

3軍の練習に参加し、ティー打撃を行う西武・山川
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 無期限の公式戦出場停止処分中の西武・山川穂高内野手(31)が、秋季教育リーグの「みやざきフェニックス・リーグ」(10月9~30日、宮崎県内)に参加する見込みであることが28日、分かった。これまで、知人女性への強制性交の疑いの影響で3軍練習が続いていたが、球団は実戦復帰の場を与える方向で検討している。

 球団は無期限の公式戦出場停止処分中の山川について、10月9~30日まで行われるフェニックス・リーグで実戦復帰の場を与える方向で、復帰時期を検討している。本人から球団に参加希望の意向が伝えられており、実戦復帰となれば5月11日のロッテ戦以来、5カ月ぶりとなる。

 出場停止処分対象は1、2軍の公式戦で、同リーグは対象外となる。前日に本拠地での今季最終戦後に取材対応した後藤高志オーナーは「これからは真摯(しんし)に反省して、しっかりとした道を歩んでもらいたい」と語り、「フェニックス・リーグ、これは公式戦ではありませんから。球団の判断に任せます」と実戦復帰に含みを持たせていた。

 山川は知人女性への強制性交の疑いで、警察や検察が慎重に取り調べを行い、嫌疑不十分で不起訴処分になった。しかし、ファンに夢と希望を届けるプロ野球選手が、醜聞でファンの期待を大きく裏切ったことは事実。球団は事態を重く受け止め、4日に無期限の公式戦出場停止処分を下した。球団施設での3軍練習では汗を流し続け、時には若手にアドバイスするなど反省の日々を過ごしてきた。処分翌日に対応した渡辺久信GMは「3軍で一生懸命練習していたし、本当に申し訳なかったという反省が、我々にも凄く伝わってきた」と復帰に懸ける思いを感じ取っていた。

 山川自身も「プロ野球選手という立場をわきまえずにした行動が招いたものであり、深く反省しています。再びチームの役に立てるように地道に練習に励みます」とコメントし、できることをひたむきにやってきた。プロ10年目の節目は、3月に侍ジャパンの一員としてWBC優勝に貢献して幕を開けたが、シーズンは17試合で打率・254、2年目の15年以来となる0本塁打に終わった。今オフには国内FA権の取得条件を故障者特例措置で満たす見込みにもなっている。フェニックス・リーグ参加はCSへの調整を除けば、まだ若手だった3年目の16年以来7年ぶりとなる。

 ▽みやざきフェニックス・リーグ 毎年10月に宮崎県内の各球場で開催される秋季教育リーグ。宮崎県では04年にイースタン・リーグ6球団でスタートし、翌05年からウエスタン・リーグも参加。20回目の今年は10月9日に開幕して同30日まで16チームで計144試合が行われる。独立リーグのチームや韓国プロ野球選抜も参加する。全試合入場無料。

 【西武・山川のこれまで】

 ▼5月11日 文春オンラインが、知人女性への性的な暴行で被害届が出ていると報じる。山川は同日のロッテ戦にフル出場。翌12日に「総合的に判断してコンディション調整」との理由で出場選手登録を外れた。

 ▼同23日 警視庁麻布署が、22年11月に都内のホテルで知人女性に性的暴行をしたとして強制性交容疑で山川を書類送検。

 ▼6月21日 西武ホールディングスの株主総会で、株主から復帰を望む声や解雇を求める意見が飛び交う。

 ▼7月10日 後藤高志オーナーが山川について初めて言及し「彼の行為は遺憾だし、残念」。

 ▼8月29日 東京地検が嫌疑不十分により不起訴処分を決定。

 ▼9月4日 球団が1、2軍の公式戦無期限出場停止の処分を発表。山川は「深く反省しています」などと球団を通じてコメント。

 ▼同11日 日本野球機構が、山川が「故障者特例措置」で今季中に国内FAの資格取得条件を満たす見込みと発表。

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