「体が弱い男」が「恐怖の8番」へ 阪神・木浪「このチャンスを逃せば野球人生が」強い覚悟が変身に

[ 2023年9月15日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神4―3巨人 ( 2023年9月14日    甲子園 )

<神・巨>笑顔で場内を1周する(左から)木浪、大山、佐藤輝(撮影・北條 貴史)
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 5年目の阪神・木浪が歓喜の瞬間もグラウンドに立ち続けていた。Vメンバーの中心選手と躍動。チャンスをつかんだ証だった。

 「今まで苦しい時のこととか、支えてくれた人の顔がパッと浮かんで感謝しかない。本当に最高の気持ち」

 今季は小幡に開幕スタメンの座を奪われた。その後も何度も苦境に直面。6月17日のソフトバンク、9月9日の広島戦でダイビングキャッチを試みた際はともに左肩を強打し、激痛に顔をゆがめた。「このチャンスを逃せば野球人生が終わるかもしれない」。その強い気持ちで、何度も心を奮い立たせた。

 7月からはシーズン完走へ向けてルーティンを変更。甲子園での試合の際は練習開始の2時間前に球場に入り、メニューに短いダッシュを加えた。その結果、消耗する夏場を乗り切るための“貯金”づくりに成功。「体調の変化もわかるようになったし、体のキレも持続することができた」と、見事にアップデートしてみせた。

 この夜は無安打ながらチーム2位となる20個目の犠打も決めた。レギュラー選手の勲章でもある規定打席には残り10打席。自称「体が弱い男」が「恐怖の8番」へと変貌した。(石崎 祥平)

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