阪神・岩崎プロ初の2者連続被弾に岡田監督「まあそういう時もある」 M消滅もまだコイと6差ある

[ 2023年8月30日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2―3DeNA ( 2023年8月29日    甲子園 )

<神・D>9回、牧(奥)に勝ち越しソロ本塁打を浴びる岩崎(撮影・北條 貴史)
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 阪神・岩崎優投手(32)が29日のDeNA戦で、2点優勢の9回に2ランとソロの2者連続本塁打を浴びて、チームは逆転負けを喫した。23試合連続無失点だった守護神の救援失敗に岡田彰布監督(65)は「そら、まさかやろ」と語った。長期ロード明けの甲子園初戦を落とし、リーグ2位の広島が巨人に勝利したため6ゲーム差ながら16日の初点灯以来、初めて優勝へのマジックナンバーが消滅した。

 最後の最後に落とし穴が待っていた。2点優勢の9回に岩崎が打たれた。無死一塁で、佐野に初球の144キロ直球を右中間に2ラン。右翼から左翼に吹く浜風にも負けない弾丸ライナーで同点とされた。守護神が今季50試合目で浴びた初被弾だった。続く牧には、逆に浜風に乗せられて、左翼最前列へ勝ち越しソロ。やや甘く入ったチェンジアップをうまくさばかれた。

 「(先頭の出塁が)もったいなかったですね。全部ストライクなんで」

 淡々と振り返りながらも、先頭の代打・蝦名に浴びた中前打を悔やんだ。2球続けての変化球で追い込みながら、3球目の直球を痛打されたことが、プロ10年目で初めて喫する2者連続被弾につながった。1点リードを守れなかった6月17日ソフトバンク戦(甲子園)以来となる今季2敗目。失点も同日以来で、今季自己最多タイの3失点となった。連続試合無失点も23試合でストップ。実に21年5月25日のロッテ戦(甲子園)以来2年ぶりに1アウトも奪えず、マウンドを去った。

 試合前の時点で26セーブ、防御率0・77の安定感を誇ったストッパー左腕が沈み、岡田監督は「そら、まさかやろ」と素直な心情を口にした。

 「先頭に追い込んでな。(佐野には)初球か。まあそういう時もあるしな。まあ、しゃあないわ。あの風でいくとは思わなかったけどな」

 勝利をつかみかけていた。同点の8回は、二塁打の佐藤輝に代えて代走・熊谷を投入。坂本の2死からの右前打で、二塁からの生還に導き、代打起用のミエセスも適時打を放った。攻撃面の打つ手が鮮やかに決まり、締めくくりとして岩崎を投入。完璧なシナリオを描いていたはずだが、勝負の世界、うまくいかない時もある。

 「(岩崎を)責める、責めんとかの問題じゃなしに、2点取って、勝ちのピッチャーを出してるわけやから」

 長期ロードが明け、7月30日以来の甲子園で、悪夢の逆転負けをした。あと2勝としていた球団新記録の月間20勝を逃し、リーグ2位の広島が巨人に勝利したことで、16日に初点灯した優勝マジックが初めて消滅。しかし、コイとはまだ6差もある。決して焦る段階ではない。(倉世古 洋平)

 《30日にもM19再点灯》○…首位阪神が16日に点灯させた優勝へのマジックナンバーが消滅した。2位広島が残り25試合に勝利すると89勝50敗4分けで、阪神が広島戦以外に全勝した場合も89勝50敗4分けで並ぶ。順位決定方法において、勝率も勝利数も同じ場合は直接対決で勝ち越した球団が上位。阪神が広島に全敗すると、広島戦は10勝14敗1分け。直接対決で上位となる広島は自力優勝が可能となった。なお、30日に阪神が勝った場合は広島の△か●、引き分けでも広島の●でいずれもM19が再点灯する。

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