広島自力V復活じゃ 代打・末包5階席へ逆転3ラン「思いが届いてくれた」虎と6差に縮めた

[ 2023年8月30日 06:10 ]

セ・リーグ   広島5―4巨人 ( 2023年8月29日    京セラD )

<巨・広>8回、末包は左越えに逆転3ランを放つ(撮影・井垣 忠夫)
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 広島・末包昇大外野手(27)が29日の巨人戦(京セラドーム大阪)の8回2死一、二塁で代打起用され、左翼5階席に値千金の決勝6号3ランを放った。27日ヤクルト戦の満塁弾に続く今季2度目の2試合連続アーチを放った和製大砲の活躍で、チームは3連勝。首位・阪神が敗れたため、自力優勝の可能性が復活した。直接対決7試合を残す阪神との差を6ゲームに縮め、奇跡の逆転優勝へ一筋の光が差し込んだ。

 打球が左翼ポールを巻き込んでスタンドに着弾すると、末包は“ドヤ顔”でバットを放り投げ、走り出した。

 「狙った球だけを絞って、ひと振りで何とか決めようと思っていた。(ファウルかなと)ちょっと心配だったが、思いが届いてくれて良かった」

 2―4で迎えた8回2死一、二塁で代打出場。カウント2―1から高梨が投じた内角低めスライダーを、完璧に捉えた。左翼5階席に飛びこむ特大の決勝6号3ランは、自身初の代打弾。27日ヤクルト戦の満塁弾に続く今季2度目の2試合連続アーチで、チームを勝利にいざなった。

 “思い出の地”で大役を果たした。社会人・大阪ガスに在籍した19、21年には、この日の舞台となった京セラドーム開催の日本選手権を制覇。加えて、当時の職場は球場隣接の事業所だった。いわばホームとも言える球場でのプロ入り後初打席でも最高の結果を残し「僕の職場がそこ(球場の横)。社会人時代は、ここ(京セラドーム)でやった日本選手権で一回も負けたことがなく、いい思い出しかなかった。(思い出の地で打てて)良かったと思う」と笑った。

 憧れの先輩にも成長した姿を届けた。昨年までチームメートだった巨人・長野だ。「いろいろ助言もいただいたので、1軍でお会いして活躍するところを見せたい」と慕う先輩からは今季序盤にバットをもらった。自身が従来使用していたものよりも長く、柔らかいアッシュ素材がフィット。即座にメーカーに長さ34・5インチ、重さ910グラム前後の“長野モデル”バットを注文し、新相棒とした。そのバットで8月は4本塁打と快進撃を続ける。

 新井監督からも「本当に素晴らしい末包さんのホームランでした」と賛辞を引き出した会心の一撃で、チームは1分けを挟んで3連勝。直接対決7試合を残す首位・阪神との差を6ゲームに縮め、自力優勝の可能性を復活させた。

 新井監督は言葉に力をこめた。「全員で戦って、全員で勝ちをもぎ取るのがカープの野球。自分たちができるのは一戦一戦、戦って、勝ちをもぎ取ることだけ」。目指すは奇跡の逆転優勝のみ。残り25試合も、ひたすら一戦必勝を積み重ねる。(長谷川 凡記)

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