ソフトB 痛い黒星も光明はチーム3冠見えた近藤のバット 「とにかくチームが勝てるように」

[ 2023年8月18日 05:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク1-2オリックス ( 2023年8月17日    京セラD )

<オ・ソ>8回、左越え二塁打を放つ近藤 (撮影・成瀬 徹) 
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 ソフトバンクの近藤健介外野手(30)が、17日の首位・オリックス戦で、今季7度目の猛打賞を記録し、打率・305に上昇した。これで打率チームトップの柳田に2厘差と迫り、9点差でリーグトップの67打点に、同3位で柳田より3本多い18本塁打とチーム3冠を射程圏に捉えた。試合は逆転負けを喫し、オリックスとのゲーム差は再び9・5に広がった。

 一夜で、すぐに息を吹き返すのが近藤のバットだ。前日16日はエース山本から2三振を含む4打数無安打だったが、この日は先発・宮城から2安打を含む4打数3安打。今季7度目、8月の12試合で3度目の猛打賞を記録した。

 「まあ昨日を引きずらず。いいところに投げられたと思って、いつもと変わらずに打席には向かいましたね」

 先発左腕からはファーストスイングで、ひたすらチャンスメークをし続けた。1―0の初回2死で、カウント1―1から内寄り直球を教科書通りの中前打。4回先頭では直球を2球見逃した後の内高め直球を左前打。1―2の8回1死ではフルカウントから山崎颯の直球を振り抜いて左翼フェンス直撃の二塁打とした。右翼方向に引っ張りにかからず、すべて逆方向への打球。“タメ”からすぐ修正した。

 「きっちりと自然と向こう(逆方向)に行っているので、そこはいいのかなと」。これで打率は・305に上昇。リーグ2位で、チームトップ柳田の同・307に2厘差と迫った。

 リーグトップの67打点に加えて18本塁打はいずれもチームトップ。さらに打率で柳田に肉薄したことで“チーム3冠”は目前だが気にもしていない。勝つために優勝するために移籍を決断した男だ。

 「とにかくチームが勝てるように。昨日、チャンスで凡退してもチームが勝ってくれたので。打点を意識したい」。オリックス戦2試合で好腕から刻めなかった打点を悔やむ。チームも相手を2本上回る7安打。4度、先頭打者が出塁したが、決定打が出ずに1点差に泣いた。藤本監督も、選手の健闘を称えつつ自虐的に言った。

 「コンちゃん(近藤)中心にチャンスメークしてくれたし、こっちが優勢やった。得点圏であと一本のとこやね。誰も悪くない。悪いのは俺だけや、な」。

 今カードは1勝1敗でオリックスとの今季通算成績も9勝9敗1分けと再び五分。残り41試合で首位オリックスとは、今季最大タイの9・5差に戻った。バットと同様に、切り替えも超早い近藤は変わらず頼もしい。「4番を打たせてもらっているので、チャンスで回る。ここから引き続き、打点を意識してやっていく」。その安定感こそが、反逆の鷹の好材料でもある。 (井上 満夫)

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