18年ぶりアレへ 阪神ついにマジック「29」点灯!!岡田監督は平常心「一つずつ勝っていくだけ」

[ 2023年8月17日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神5―3広島 ( 2023年8月16日    マツダ )

<広・神>勝利し笑顔の岡田監督(中央)(撮影・奥 調)
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 阪神は16日、広島を5―3で下し、05年以来18年ぶりのリーグ優勝へのマジックナンバー「29」を初点灯させた。岡田彰布監督(65)が不調の佐藤輝明内野手(24)をスタメンから外し、組み替えた打線が2回に一挙4得点。佐藤輝に代わって5番に入った森下が口火を切り、7月13日以来の先発出場となった6番・ミエセスも2安打と気を吐いた。救援陣も盤石の猛虎。最短9月5日に決まる「アレ」に向け、障壁は見当たらない。

 打てる手はすべて打つ。それが岡田野球だ。競り負けた15日の初戦から一夜明け、岡田監督は一つの決断を下した。佐藤輝を外す――。初戦、2点を追う8回無死二、三塁であえなく空振り三振。同戦の3回に適時打を放ち、12日ヤクルト戦ではプロ初のサヨナラ打を放った男の名を、メンバー表から消した。

 「いやいや。負けたから代えやすかったよ。勝ってると代えづらいけどな、ずっと勝ってたから。昨日の負けがよかったよ」

 10連勝が止まったことを切り替えの好機と捉えた。代役で小野寺を1軍で初めて三塁で起用したことにも「昨日(宿舎に)帰って決めとったよ、そんなもん。そんなん。もう昨日の夜からの話で」とサラリ。さらに「最後(9回)なあ、小野寺のとこ(代打は佐藤輝で)いくつもりやったけど、やっぱ回ってけえへんわな(笑い)。そういうことやろ?」。厳しい言葉の数々は、発奮への期待の裏返しだろう。

 佐藤輝の指定席だった「5番」には、前夜4安打4打点したルーキー・森下を起用。加えて、状態が上がりきらないノイジーに代えて「6番・左翼」にミエセスを据えた。M砲のスタメンは7月13日以来。一切のちゅうちょなく、勝てる可能性が0・1%でも上がる布陣を模索。その森下とミエセスがきっちりと期待に応えた。森下は2回先頭で右前打し、一挙4得点の口火を切ると、続くミエセスも遊撃強襲の安打。坂本の犠打を挟み、木浪、近本、中野と3本の適時打を誘発した。

 森下は「先頭だったので、何とか塁に出ようと思っていた。3番でも5番でも、チャンスで回ってくる打順。スタイルを変えずにやる」と胸を張った。ミエセスは5回2死でも二塁打を放つと、代走・熊谷が送られてお役御免となった。

 ついに点灯した、優勝マジック「29」。岡田監督は最短で9月5日の中日戦で、宙に舞うことになる。少しずつ、だが確実に近づく歓喜の時――。それでも虎将は「まだまだそら、あれよ、全然関係ないよ」と一笑に付し「え、どこと優勝争いしてるの?分からんけど、俺らは一つずつ勝っていくだけやんか。別に優勝争いとかしてないで」と不敵に笑った。もう下を見る必要はない。ただひたすらに、ゴールテープへと向かって走り続ける。 (八木 勇磨)

 ○…阪神に優勝へのマジックナンバー「29」が初点灯。2位・広島が敗戦で、阪神以外で唯一可能性を残していた自力優勝が消滅。広島が残り36試合に全勝しても、阪神は広島戦以外の残り29試合に勝てば、広島の最終勝率を上回るため。阪神の優勝マジック点灯は、2位に終わった10年以来13年ぶり。なお、現時点での最短V決定日は9月5日。

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