【甲子園】“広陵のボンズ”真鍋 ノーアーチで聖地に別れ…9回にバント失敗

[ 2023年8月17日 05:00 ]

第105回全国高校野球選手権記念大会第10日 3回戦   広陵3―6慶応 ( 2023年8月16日    甲子園 )

<広陵・慶応>試合に敗れ、引き上げる広陵・真鍋(左から2人目)(撮影・岸 良祐)
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 広陵・真鍋慧(けいた)がノーアーチで聖地を去った。観客をどよめかせたのは、同点の9回無死一塁。犠打か強攻策か自ら選択するサインに、公式戦2度目のバントを敢行した。しかし三飛と失敗し、これが最後の打席となった。チームはタイブレークの延長10回の末に敗れ、「自分のミスで負けた。悔しいです」とうつむいた。

 入学直後、中井哲之監督から「広陵のボンズ」と命名された。「いろんな人にボンズと呼ばれて光栄でした」。本家と同じ左の長距離砲に成長し、高校通算62発を誇った。その原点には小学生の頃に父・隆さんが言った「ゴロを打つな。柵を越えれば、誰にも邪魔されないんだぞ」との助言があった。中学でも広島安芸リトルシニアの川上祐総監督に「本塁打狙いだ。遠くに飛ばせ」と言われ、長打だけを狙った。こうして長距離打者の土台が築かれ、今大会注目選手の一人にまで成長した。

 甲子園には計3度出場。今夏は2戦8打数3安打3打点と光った。「(プロ志望届を)個人的には出したいと思っています」。今後はプロ野球選手として聖地初アーチを目指す。 (河合 洋介)

 ○…2年生エースの高尾響は、無死一、二塁で始まるタイブレークの延長10回に適時打を浴びるなど一挙3失点で力尽きた。序盤は制球に苦戦するも、尻上がりに修正。152球の力投を見せたが、「踏み足がちょっと滑りがちだった。(3年生と)もっとやりたかった。寂しい」と悔やんだ。準優勝した17年以来6年ぶりの8強入りはならなかった。試合後、選手たちは土を持ち帰らず、甲子園を後にした。「自分たちが日本一になっていくのが恩返しだと思う」。今夏は2試合で計246球を投げた右腕は再び聖地へ戻ってくることを誓った。

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