秋山負傷…苦境の広島、堂林が同点弾で意地見せた 60打席ぶり一発!観覧の家族に勇姿を届けた

[ 2023年8月12日 05:04 ]

セ・リーグ   広島3-3中日 ( 2023年8月11日    バンテリンD )

<中・広>7回、堂林は同点2ランを放ち、大歓声の中を受け赤松コーチ(左)とタッチ(撮影・椎名 航)
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 広島は11日の中日戦を3度目の引き分けに終わり、4連敗から脱出できなかった。秋山翔吾外野手(35)が右ふくらはぎを痛めて3回の守備から交代した逆境で7回に堂林翔太内野手(31)が同点の左越え5号を放った。12回2死満塁では首痛で3試合欠場していた野間峻祥外野手(30)が代打で復帰し、空振り三振に倒れた。

 同点の延長12回2死満塁。切り札として新井監督が打席に送ったのは首痛で過去3試合欠場していた野間だった。一度はカウント3―1まで追い詰めながら、フルカウントから外角低めのフォークに空振り三振。天を仰いで悔しがった。

 「四球も考えていたが、いいところに投げられた。技術不足です」

 最後の最後に訪れた好機で役割を果たせず反省の言葉を残しても、首の状態については「全然大丈夫。準備はしっかりして、明日からも出られるようにやっていきたい」と先発復帰に意欲を見せた。

 序盤には思わぬアクシデントが発生した。開幕から全試合で先発3番を務めてきた秋山が右ふくらはぎに違和感を訴えて3回の守備から退いた。新井監督は「ちょっと痛めて、大事を取って交代した。あとは検査待ち。(12日の出場は)厳しい。箇所がふくらはぎ。無理はさせられない」と明かした。主力を欠く中でも、終盤に意地を見せた。

 劣勢を押し返したのは堂林だ。1―3の7回2死三塁で勝野の152キロを強振。きれいな放物線を描いた打球は真っ赤に染まった左翼席に飛びこんだ。同点5号2ラン。勝負どころで反発力を示した。

 「思い切っていけるカウントだったので、いきました。勝ちきりたかったですけど、負けなかったので、よかったかなと思う」

 1死一、三塁で迎えた打席。初球に大盛が二盗を失敗し、好機を失いかけたところで大仕事を果たした。6月24日の巨人戦以来、出場25試合、60打席ぶりの一発。地元のバンテリンドームでは昨年4月29日以来のアーチをかけ、「今日は親が来ていましたし、いいところを見せられてよかった」と見守った家族にも勇姿を届けた。

 逆転までは届かず、4連敗からは抜け出せずに、東京からの移動試合を12回の激闘で終えた。新井監督は「みんな頑張って、引き分けによく持ち込んだと思う」と前を向いた。首位・阪神とは試合があった5日連続で差が開き、6ゲーム差まで遠のいた。残り40試合。この夜の粘りを次戦につなげたい。(長谷川 凡記)

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