巨人・浅野 プロ初安打 5打席以内高卒ドラ1は巨人の星!松井、坂本、岡本の道「No.1に」

[ 2023年8月12日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―4DeNA ( 2023年8月11日    東京D )

<巨・D>5回、プロ初安打を放ち、笑顔の浅野(撮影・木村 揚輔)
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 巨人のドラフト1位ルーキーの浅野翔吾外野手(18)が11日、今季2度目の1軍昇格を果たしてDeNA戦に「8番・右翼」でプロ初となるスタメン出場。5回の第2打席でプロ初安打となる左前打を放った。チームは救援陣が粘れずに4連敗で借金2となったが、高卒1年目の若武者が、ファンに明るい未来を予感させた。

 バットは折れた。それでも、打球は左前で弾んだ。浅野が通算5打席目でプロ初安打。「(球場の)いろんな場所から“翔吾”という声が聞こえた。ベンチも一緒に立って拍手をしてくれて、とてもうれしかった」。しばらく東京ドームは「翔吾」コールで揺れた。

 「8番・右翼」でプロ初のスタメン出場。5回1死一塁の第2打席で、1ストライクから東の145キロ直球を振り抜いた。内角の厳しいコースでも力負けせず「右手で押し込めている証拠」と胸を張る。7月の1軍初昇格では3試合に出場し計3打席で3三振。内角球の対応力の必要性を痛感し「バットを内側から出し、球の内側を叩く」と強く意識した。「前のスイングをすれば詰まってサードゴロだった。軌道が変わっているのかなと思う」。成果を発揮した。

 心は折れかけた。それでも、悔しさを成長の糧とした。「野球人生でこんなに三振したのは初めて」と今季2軍戦は最初の20試合で21三振。高松商で2度出場した甲子園では計24打席で三振がなかった男のプライドは傷つき「通用しないのかな…」と落ち込んだが、全打席の映像を見返すなど反省を忘れなかった。

 実績ある選手が故障で2軍調整することもあり、同じ右打ちの坂本、中田翔、松田らに積極的に質問。坂本からは「そんなに打てると思わなくていい」という金言を授かった。それらの助言は欠かさずメモ。「たくさん教えていただいた。それを実践した結果」と先輩たちに感謝した。

 ちょうど1年前。夏の甲子園大会での佐久長聖戦で2打席連発を放ち、高校No・1スラッガーと騒がれた。「まさか1年後に(プロの)試合に出ていると思っていなかった。プロの中でNo・1と言われる打者になれるように」。試合は敗れたが、浅野が夢に向かって力強い一歩をしるした。(小野寺 大)

 ≪今季高卒新人最速≫浅野(巨)が今季高卒ルーキーではセ、パ通じ最速となるプロ初安打。チームで高卒新人の中での安打一番乗りは坂本勇人が07年9月6日中日戦で記録して以来16年ぶりだ。また浅野はプロ5打席目で初安打。ドラフト制以降の巨人高卒新人で5打席目以内に初安打は19年山下航汰以来9人目。8月までに打ったのは66年5月30日大洋戦の堀内恒夫(5打席目)、86年6月5日阪神戦の桑田真澄(5打席目)、93年5月1日ヤクルト戦の松井秀喜(2打席目)に次ぎ4人目となった。

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