劇勝呼んだのは阪神・村上 気迫の109球目に観客総立ち!坂本らナインに感謝「自分一人だけじゃない」

[ 2023年8月12日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2-1ヤクルト ( 2023年8月11日    京セラD )

<神・ヤ> 7回のピンチをしのぎ雄たけびをあげる村上(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 成長著しい右腕が、土壇場でまた一つ殻を破った。1―1の同点で迎えた7回1死満塁だ。阪神の先発・村上は絶体絶命のピンチで代打・川端を三ゴロ併殺打に仕留め、こん身の雄叫びを上げた。

 「(直前に)四球を連発しちゃったんで、もうちょっと攻められればな…と。無失点に抑えられたので、良かった」

 先頭・村上の中前打と2与四球で1死満塁とされ、打席には代打・川端。ヤクルトが誇る、とっておきの切り札を2球で追い込み、カウント1―2からの4球目、自己最速の151キロ直球で打ち取った。結果は三ゴロ併殺打。気迫のこもったガッツポーズに観衆は総立ちとなった。「京セラは投げやすいイメージがあったので。そこでしっかり投げられてよかった」。この日は序盤から直球が走り、4回2死でも村上を151キロ直球で右飛に料理。終盤の大ピンチ、そしてこの日の109球目でも球威は衰えず、土俵際で耐えた。

 8勝目こそならなかったが、これで登板7試合連続クオリティースタート(6回以上、自責3以下)を達成。規定投球回に再び到達し、防御率2・02で広島・床田を抜いてリーグトップに躍り出た。「自分一人だけじゃないんで。やっぱり(坂本)誠志郎さんが引っ張ってくれて、いろいろ引き出してくれますし、野手の人が守ってくれて無失点とか、クオリティー(スタート)になっているので。本当に助けられながらという感じです」。巨人・秋広らと新人王争いも演じる背番号41。自らの成長を誇るのではなく、捕手とバックの支えに、謙虚にこうべを垂れた。

 「チームが負けなかったのが一番ですし、よかったかなと」

 チームの8連勝に欠かせなかった力投。岡田監督の「きょうは本当は村上に勝ち星つけたらないかんゲーム」という言葉が、右腕の貢献度を表していた。 (阪井 日向)

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年8月12日のニュース