【甲子園】ピアスとともに開けた「音楽を楽しむ」夢への扉 いなべ総合学園「代打吹奏楽団」でビート

[ 2023年8月12日 05:00 ]

第105回全国高校野球選手権記念大会第6日2回戦   いなべ総合学園0―3沖縄尚学 ( 2023年8月11日    甲子園 )

スネアドラムを担当した上田さん(撮影・柳内 遼平)
Photo By スポニチ

 【声援よ君に届け】<いなべ総合学園吹奏楽部OB上田真維さん>銀傘に響く大迫力のサウンドは、ロックにもメタルにも負けちゃいない。一塁側アルプス席のいなべ総合学園応援団は、回が進むごとに踊りたくなるような「グルーブ感」が上昇。スネアドラム担当の吹奏楽部OG・上田真維さん(23)は、応援を先導するビートを刻み「みんなで盛り上がることこそ応援なんだ」とハートをアツくした。

 不在の後輩たちの穴を埋めるため、7年ぶりに聖地を訪れた。吹奏楽部の三重県大会出場と甲子園初戦が重なったことでOB、OGによる「代打吹奏楽団」が募集された。上田さんは高2だった16年の春、夏に甲子園応援を経験。グループLINEで募集を知り「もう一度できるならば、やりたい」と即決した。

 両耳に6つずつ、口付近には4つのピアス。中学でビジュアル系ロックバンドの「己龍(きりゅう)」にひかれ、高校卒業とともに開けたピアスを「アイデンティティー。ピアスも含めて自分」と言う。音楽の道を志し、専門学校ではボーカル科で学び、卒業後はアルバイトをしながら楽曲をYouTubeで配信するなど音楽活動を続ける。「どんな時でもみんなに聴いてもらえる曲をつくりたい」と大きな夢がある。

 高校時代はタンバリンやシンバルを担当。ほぼ未経験のスネアドラムだったが「崩れない程度に楽しく自由に」とロック魂で乗り切った。優勝候補の沖縄尚学に0―3で敗れたが「一生懸命に夢を追いかける姿はカッコいい。自分ももっとやらなきゃね」と上田さん。聖地で「音楽を楽しむ」という原点を再確認し、夢への思いを強めた。(柳内 遼平)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年8月12日のニュース