阪神・森下、巨人撃破の値千金弾!「しびれる試合で1本出てよかった」8回に4号2ランで宿敵突き放した

[ 2023年8月9日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神7―6巨人 ( 2023年8月8日    東京D )

<巨・神>8回、2ランを放ちポーズを決める森下(撮影・大森 寛明)
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 阪神が、8日の巨人戦に7―6で競り勝って今季3度目の5連勝を飾り、貯金を今季最多の19まで増やすとともに2位・広島との差を3・5に広げた。3番・森下翔太外野手(22)が5―4の8回に4号2ランを放つなど3安打2打点。ビジター初本塁打を伝統の一戦で放った若武者の活躍で、大阪タイガース復刻ユニホーム着用試合は今季4戦4勝。きょう9日も勝って、08年には最大13ゲーム差から逆転優勝を許した宿敵の自力優勝の可能性を、消し飛ばしてみせる。

 力強く弧を描いた白球が、悲鳴が渦巻く右中間席へと消えた。5―0から5―4まで追い上げられて迎えた8回1死一塁。森下のバットが火を噴いた。

 「内角を攻められるのが、もうわかっていた。スライダーや真っすぐというのを意識しながら、外はもうコースに逆らわずに、という形で打席に入った」

 中前打の中野に続いて打席に向かった。4番手・高梨に対し、粘ったフルカウントからの9球目、やや外寄り144キロのシュートを素直に撃ち抜いた。着弾を確認すると、右腕を高々と天へ。悠々とダイヤモンドを一周し、生還。スコアは7―4。結果的に1点差まで詰め寄られたことを思えば、値千金の2ランだった。

 しかも舞台は東京ドーム。聖地・甲子園で3発放り込んでいるスラッガーからすれば、きっちりミートさえすれば自然と飛距離は出る。ビジター初本塁打を伝統の一戦で記録。「(8回に)点を取れるのと取れないのでは、その後の展開が違った」。試合の流れをグッと引き寄せる一撃に、堂々と胸を張った。

 指揮官の助言を生かした。試合前には岡田監督から「右中間に打ってこい」と背中を押されていた。その期待を、そのまま形として示した背番号1。「しびれる試合がたくさんある中で、こういう1本が出たところはよかった」。今季3度目の5連勝。2位・広島に3・5差とし、巨人の自力優勝の可能性も消滅寸前に追い込んだ。その原動力となったのが、森下だった。

 今回の巨人3連戦は両軍選手が「伝統の一戦」の起源とされる1936年当時のユニホームをモデルにした復刻ユニホームを着用。5月26日からの甲子園3連戦に続く両球団共同イベントで、猛虎は「白」を基調にしたユニホーム。本拠地で宿敵に3タテを食らわせており、今季「大阪タイガース」の戦闘服を身にまとえば4戦4勝だ。昨季から数えると実に6連勝。「白虎」がそのまま「白星」につながる吉兆ぶり。ならば、きょう9日の勝利も必然だろう。

 「カードの頭を取れれば、3連敗はなくなる。初戦を取るのは大事だった。これからもしっかり打っていく」

 チームをバットで救い、さらには星勘定までする。こんなデキる新人は、なかなかいない。若き力に導かれ、虎が上昇気流に乗った。(八木 勇磨)

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