タイブレーク、DH制、ピッチロック…システマティックに改革進める大リーグ どうでるプロ野球

[ 2023年8月8日 07:30 ]

今季からMLBで導入された「ピッチクロック」(AP)
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 夏の甲子園が開幕した。かつては延長15回、いやいや延長18回で再試合…。そんな時代もあったが、現在は「タイブレーク制度」が導入されている。最初は延長13回からで、今は延長10回から。無死一、二塁でスタートし、試合の早期決着に寄与している。

 一方で高校野球は「指名打者(DH)制」を導入していない。日本の野球シーンで、DH制がないのは高校野球とプロ野球のセ・リーグだけと言われる。海の向こう、大谷(エンゼルス)らが活躍する「野球の母国」米大リーグでは22年からナ・リーグもDH制になった。セ・リーグや高校野球が追随するのか、非常に興味深い。

 プロ野球では大リーグに合わせて、来季から投球に制限時間を設ける「ピッチクロック」の導入を検討している。試合のスピードアップは日本球界にとっても大きな課題。大リーグが大幅な試合時間短縮に成功している点も、導入検討の議論につながっているのだろう。その大リーグでは20年にタイブレークも試験導入。無死二塁からスタートし、こちらも試合時間短縮につながっているが…。日本のプロ野球では、このタイブレークとセ・リーグのDH制導入はなかなか話が進まない。

 タイブレークは日本のアマ球界でも広く導入されており、以前に比べればかなり一般的になってきた。DH制に関しても「野球は9人でやるもの」という原則論がある一方で、指名打者を加えれば選手の出場機会も増える。システマティックに改革を進める大リーグ。日本のプロ野球はこれまで、大リーグの動きに1年遅れで追随するケースが多かった。果たしてこの2つのルールに関して今後、どのような動きが出てくるのか。注目したい。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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