巨人・岡本和が有言実行3発 口下手主将が言葉でバットでけん引5戦8発 6年連続30号到達で3位浮上

[ 2023年8月7日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人13-0広島 ( 2023年8月6日    マツダ )

<広・巨>8回1死、岡本和は左越えにこの日3本目となるソロ本塁打を放つ(撮影・奥 調)
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 3発で3位浮上だ!巨人・岡本和真内野手(27)が6日、広島戦で初回に先制の左越え28号2ランを放つと、4回に29号ソロ、8回にも30号ソロを放ちプロ初の1試合3本塁打をマークした。8月3度目のマルチ本塁打で、最近5戦8発。史上9人目の6年連続30本塁打に到達した。チームはともに今季最多の18安打13得点で快勝。敗れたDeNAに代わって、6月24日以来43日ぶりの3位に浮上した。

 岡本和が動いた。2位・広島に連敗を喫した前夜の試合後。ベンチ裏に野手を集めて緊急ミーティングを開いた。「雰囲気は悪いわけではない。ここからが一番苦しいところ。踏ん張っていきましょう」。普段はひょうひょうとしたイメージが強い主将が、言葉でチームを鼓舞していた。

 「カープにずっとやられていたので、何とか今日、1勝でもしたかった。勝てて良かった」

 自分なりの主将像はプレーで引っ張ること。「僕は話すのが上手じゃない」という背番号25は、一夜明けると、バットでそれを実行した。初回2死一塁から、2戦連発となる先制の左越え28号2ラン。4回は左越え29号ソロを弾丸ライナーで。8回、広島出身の代打・中田翔が通算300号を放って敵地がざわめくなかで、プロ初の1試合3発となる30号ソロを左翼に運んだ。

 マツダでは2年連続で1本塁打だった。「(本塁打が)出にくい風がある。右(打者)に不利なイメージ」としたが、一気に3発。打線はともに今季最多18安打13得点でマツダでの連敗を4で止め、大瀬良相手の敵地11連敗もストップした。6月24日以来の3位浮上に導いた4番に原監督も「責任感じゃないですか。キャプテンシーだと思う」と目を細めた。球団4番の1試合3発は10年のラミレス以来で、生え抜きでは01年9月27日の広島戦での松井秀喜以来22年ぶりだった。

 史上9人目の6年連続30本塁打。自身が持つ右打者の球団記録を更新した。「一つ自分の中での目安にしてる数字」とするが「まずはチームが勝つこと、優勝目指してやることが大事」と強調。それでも、原監督に「和真いた?」と厳しい言葉をかけられた翌日から5戦8発と量産態勢に入った。21年の自己最多39本を上回る44発ペースだ。

 「原爆の日」にあたる8月6日。野球を通じて平和な世界を祈る「ピースナイター」だった。「こうして野球ができているということが当たり前ではないと思う。感謝の気持ちを持って一試合一試合頑張りたい」。さらなる上位進出へ、もちろんバットで引っ張るだけだ。(小野寺 大)

 ≪王&松井に並ぶ 最年少27歳シーズン≫岡本和(巨)が自身初のゲーム3本塁打を放ち、セ、パ通じ最速で今季30号に到達した。巨人打者の両リーグ30号一番乗りは08年ラミレス以来8人目、18度目。日本人では00年松井秀喜以来23年ぶりとなった。18年からは6年連続の30号。6年以上連続30本塁打は62~80年王貞治(巨)の19年を筆頭に史上9人目。巨人では前記の王、96~02年松井の7年に次ぎ3人目だ。なお、岡本和は今季が27歳シーズン。27歳での6年連続30本塁打は、67年王、01年松井に並ぶ最年少記録。

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