1ゲーム差なのにペナントレースを諦めたガーディアンズのフロント 早朝飛行機に乗って選手に弁明

[ 2023年8月7日 14:47 ]

 今年のトレードデッドラインでは、いろいろと不思議なことが起きたが、クリーブランド・ガーディアンズも多くの関係者を驚かせた。ア・リーグ中地区で首位ツインズとわずか1ゲーム差だったのに、あっさり白旗を上げたからだ。

 先発右腕アーロン・シバーレ(28)をトレードでレイズに放出。シバーレは今季13試合に先発、77イニングを投げ、5勝2敗、防御率2・34の好成績。WHIPも1・04だった。シバーレはレンタルの選手ではなく、FAの資格を得るのは25年のオフになる。よって交換要員はカイル・マンザード(23)一塁手でレイズでは4位、MLB全体でも37位にランクされるトップクラスの若手有望株だった。さらに11本塁打48打点の主砲ジョシュ・ベル(30)をマーリンズに出し、21年のドラフト一巡カリル・ワトソン遊撃手(20)と交換した。

 言うまでもなく、将来のためだが、なぜ1ゲーム差で諦めるのか?現場で日々必死に戦っている選手たちは激怒した。USAトゥディ紙のボブ・ナイチンゲール記者は「ガーディアンズの主力選手たちが腹を立ててしまったので、クリス・アントネッティ編成本部長とマイク・シャーノフGMは慌てて早朝6時半の飛行機に飛び乗ってヒューストンに行き、チームの主要メンバーに会って、弁明をした」と報じている。

 メンバーはヒューストン遠征の後、ホームに戻ってくるスケジュールだったが、すぐに直に選手に会う必要があると考えたのだ。首脳陣は「24年は優勝を狙うし、そのために全力を尽くす。今回はシェーン・ビーバー投手、トリストン・マッケンジー両投手のケガでこう決断せざるをえなかった」と弁明している。

 テリー・フランコナ監督は「選手たちがフラストレーションを感じ、怒るのは仕方がない。だがフィールドでのプレーにも影響するなら、それは誰のためにも良くない」と地元記者に説明している。

 ガーディアンズは8月になって1勝4敗。ツインズとのゲーム差は4・5ゲームに広がった。ツインズはデッドライン前に思っていたようなトレードはまとめられなかったが、ガーディアンズが白旗を上げてくれたお陰で、地区優勝に向け有利な立場に立っている。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年8月7日のニュース