【甲子園】今夏初打席で値千金サヨナラスクイズ 守備固めの男が大仕事 谷口「サイン出て、よし来た!と」

[ 2023年8月7日 18:06 ]

第105回全国高校野球選手権記念大会 1回戦   智弁学園7-6英明 ( 2023年8月7日    甲子園 )

<智弁学園・英明>延長10回、智弁・谷口はサヨナラスクイズを決める(撮影・井垣 忠夫)
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 第105回全国高校野球選手権記念大会第2日が7日、甲子園球場で行われた。第3試合では2年ぶり21度目出場の智弁学園(奈良)が、12年ぶり3度目出場の英明(香川)を延長10回の末、サヨナラスクイズで決着して初戦を突破した。

 今春近畿大会王者で、今夏奈良大会では5試合で12本塁打と強打をひっさげ、優勝候補にも挙げられている智弁学園。

 1点を追う2回、川原崎の右中間適時二塁打で同点。高良の左犠飛で勝ち越しに成功した。

 1点を追う4回、無死満塁のチャンスで途中出場の西川が左前適時打で同点。2番・山家の左犠飛で再び勝ち越した。

 投げては1年生右腕・田中を初戦先発に抜てき。初回から強気のインコース攻めで堂々の投球を見せた。四球で走者を出したが落ち着いて後続を断った。2回に先制点を許し、ベンチは早めの継投策。3回からは右腕・藤田が登板も、逆転を許した。

 4回からはOBでもある阪神・村上と同じ淡路島出身で、同じ中学クラブチームでプレーした二刀流・中山が遊撃からマウンドへ向かった。5回に逆転を許したが、6回は無死二塁、7回は1死満塁と再三のピンチを背負いながらも無失点でしのいだ。

 打線は6、7回と再三得点のチャンスを作ったが、無得点。それでも8回には1死満塁から暴投で1点差に迫り、9回に押し出し四球で同点に追いついて延長戦に持ち込んだ。

 延長10回、タイブレークで1死二、三塁とし、途中出場の谷口が奈良大会から通じて今夏初打席ながら投前へスクイズを決めてサヨナラ勝ちした。

 9回、カウント途中で守備から出場していた谷口は「めちゃくちゃうれしいです」と笑顔。「監督さんからも事前にスクイズ頭入れとけよと言われていて。準備できていたからこそ決まった1球だったと思います」と胸を張った。初球を見送って1ボール。2球目でスクイズを決め「前に転がって安心したんですけど、(打球が)強くて投手正面。でも、三塁ランナーは一番足速い山家なので行ってくれるだろうなと思っていた」と仲間を信じたスクイズだった。

 背番号15を背負う3年生。外野全ポジションを守れる守備固めとしてベンチ入りしていた。「バントは事前から練習してきていた。バントには自信あった。基本みんながバッティングしている時でも、違う場所にあるバント専用のゾーンでうまい先輩に教えていただいて、練習していたことがやっと出せる場面が来たと思った。冷静にできた」と努力の成果を大舞台で発揮した。

 今夏初打席だったが「もらったチャンスだったので緊張はあまりしてなくて、やるだけだなと。サイン出て、よし来た!絶対決めると思っていた」と胸を張った。

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