福島敦彦氏 仙台育英の勝利呼んだ5回の継投 嫌な流れを感じた須江監督の好判断

[ 2023年8月7日 05:30 ]

第105回全国高校野球選手権記念大会 1回戦   仙台育英19-9浦和学院 ( 2023年8月6日    甲子園 )

福島敦彦氏

 【福島敦彦の迫球甲子園】ともに強力打線を誇り、ある程度の点取り合戦を想定していたはず。それだけに投手陣がどこまで踏ん張れるかが勝敗のカギを握っていた。

 仙台育英にとって5回無死一塁で湯田君から高橋君への継投が大きなポイントだった。9―0の4回に4点を返され、直後の攻めで盗塁失敗などもあり無得点。迎えた5回、先頭に中前打され嫌な流れを感じた須江監督の好判断だった。湯田投手が喜屋武(きゃん)君に2打数2安打と完璧に捉えられていたことも決断を後押しした。後続を断ち6回も無得点でしのいだ高橋君も、さすがだった。

 攻撃陣は昨年の優勝メンバーである7番・尾形君、8番・湯田君が連続本塁打したように長打力が増した。コースに逆らわず、高めに浮いた球は見逃さない好球必打の姿勢も徹底している。

 浦和学院は失策が失点に結び付くなどミスも目立ったが、強力な相手投手陣から9得点は胸を張っていい。1年生4番の西田君の思いきった打撃も印象的で、来春以降に期待が持てる内容だった。 (報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年8月7日のニュース