辛口指揮官も「さまさま」「いなかったら、負けてるよ」 虎の火消し名人・島本がベイの自力Vも消した!

[ 2023年8月7日 06:45 ]

セ・リーグ   阪神3-2DeNA ( 2023年8月6日    横浜 )

<D・神> 岡田監督(右)とハイタッチをかわす島本(左は伊藤将)(影・大森 寛明)
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 阪神・島本浩也投手(30)が6日のDeNA戦で好救援し、4連勝に導いた。ミスが絡んだ7回1死二、三塁の窮地で登板。打者2人を抑えて最少1点差を守り、岡田彰布監督(65)にも「そら、島本さまさまよ」と大絶賛された。第1戦に続く見事な火消しで鬼門だった横浜スタジアムでの同一カード3連勝に貢献。今季最多の貯金18に戻してDeNAを自力優勝の消滅へ追い込み、2位・広島を2・5ゲームに突き放した。

 いまの阪神には火消しの名人がいる。島本だ。1点優勢の7回1死二、三塁でマウンドへ。浜地のバント処理のミスで、ボヤどころか大火事になる寸前だった。1人目の代打・楠本はスライダーで遊飛に打ち取り、続く関根は直球主体で押した。「全力で一球一球、投げることだけ考えている」。最後は外角への146キロで空振り三振を奪った。

 「浜地の後を絶対にカバーしようと思った。ゼロに抑えられて良かった」

 ベイ党のため息と虎党の歓声が交錯するスタジアムを、悠然と歩きながらダッグアウトへ下がった。また窮地を救った。8回2死満塁で佐野から空振り三振を奪って3点差を守った4日の初戦に続く圧巻の7球。安藤投手コーチが「彼にはコントロールと度胸がある」と救援投手の資質を称えれば、今カードから導入する「ランナーがいる時は島本」という起用法が再び当たった岡田監督は「そら、島本さまさまよ。島本がいなかったら、おとといも今日も負けてるよ」と絶賛した。辛口で知られる指揮官の「さまさま」という表現が、活躍の大きさを物語っていた。

 ベンチ同士でも駆け引きをしていた。問題の7回1死二、三塁。本来なら佐野を打席に迎えるはずだった。岡田監督は2日前に佐野を抑えたように島本を送り込む算段を立てていた。ところが、予期せぬことが起きた。佐野が下がり、代わって楠本が代打で告げられた。

 「ラッキーやと思ったよ。そら、おまえ、佐野を代えるんやから。代打ってなったから、(投手交代を)待ってたんや。楠本が出てきたからなあ」

 右の代打が出てくれば、浜地続投も選択肢だったが、左の楠本なら予定通りでいい。準備させた島本を投入し、1点差を守った。

 レギュラーシーズンで年またぎの13連敗で乗り込んだ横浜スタジアムで2年ぶりに同一カード3連勝を決めた。6月に3タテを食らって一時は首位を明け渡したDeNAの自力優勝の可能性を消滅させた意義は大きい。2位の広島も2・5差に突き放し、6月7日以来の今季最多の貯金18とした。投打がかみ合い、接戦にも強い。これで4カード連続勝ち越しだ。月間19勝を挙げた破竹の5月に似た雰囲気が漂い始めた。 (倉世古 洋平)

【データ】
 ○…阪神の横浜スタジアム3連勝は21年4月9~11日の同一カード3連戦以来2年ぶり。8月以降の同一カードに限れば、16年8月23~25日以来7年ぶり。
 ○…貯金18は6月7日以来の今季最多。2位・広島とは2・5ゲーム差で、2差以上をつけるのは8月1日の2差以来。

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