阪神・近本 65年ぶりの4安打3盗塁! 有言実行でジョークも滑らか?「骨も治しながら、いい休みに」

[ 2023年8月6日 06:45 ]

セ・リーグ   阪神7-3DeNA ( 2023年8月5日    横浜 )

<D・神> 7回2死一、二塁、森下の左前打で二塁から生還する近本(撮影・大森 寛明)
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 冗談が出るほど阪神・近本の表情は明るかった。「2~3週間の休養(右肋骨骨折で離脱)がスゴく良かったと思います。しっかり自分のコンディションも直しながら、骨も治しながら、いい休みにできました」。7月25日の巨人戦から11試合連続安打。単に伸ばしただけではない。4安打が通算12度目なら、3盗塁は3度目。同時達成はもちろん初めてで、球団では65年ぶりの快挙だった。

 「一打席一打席、集中して入りました」

 お祭りは初回から始まった。大貫の直球を捉えた右前打で突破口を開き、続く中野の2球目に二盗。大山の先制弾を呼び込んだ。2回1死でも右前打を放ち、3球目に簡単に二盗を決めた。3回2死一、三塁では右翼線への適時二塁打で圧巻の3イニング連続安打だ。まだ終わらない。5回2死二塁では右前打して三たび二盗。次点の中野に6差をつけてリーグ最多を独走する18盗塁まで一気に積み上げ、「盗塁に関しては、いいスタートが切れてる」とうなずいた。

 「タイミングとか配球とかもあるので、それがあっちに飛んでいったという感じ」

 全て引っ張り込んだ安打の内容については淡々とした表情で振り返った。7月27日の巨人戦から5試合連続で2安打を記録した際には「固め打ちは3安打からだと思うので…」と首を横に振り、森下に球団新人では19年の自身以来の4安打が出た翌28日の広島戦では「僕も4安打打ちたいなあ」と漏らした。有言実行の大当たりで、戦列復帰した球宴明けは9勝3敗1分けで貯金17まで戻し、今季最多「18」も目前。「一試合一試合、全員で戦っていきます」。やはり近本がいて猛虎は活気づく。 (石崎 祥平)

【データ】
 ○…近本(神)が今季2度目の4安打、今季初の3盗塁。阪神で1試合4安打&3盗塁は、1958年7月20日の国鉄とのダブルヘッダー第2試合(甲子園)に「1番・二塁」で先発した辰市邦輔が達成して以来、球団65年ぶり。

 ▽辰市邦輔(たついち・くにすけ) 1938年10月6日生まれ、京都市出身。立命館2年時の55年に夏の甲子園に出場して4強。57年に阪神入りすると、2年目の58年7月には正二塁手を獲得した。以降は同学年の鎌田実が台頭したこともあり59年限りで引退。実働3年で1軍通算94試合、打率・214、2本塁打、9打点、14盗塁だった。

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