阪神・大山の先制弾は必然 酷暑の中で寸暇を惜しんで練習に集中「準備は1年間大事にしていること」

[ 2023年8月6日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神7-3DeNA ( 2023年8月5日    横浜 )

<D・神>初回1死一、三塁、先制3ランの大山はナインとハイタッチをかわす(撮影・大森 寛明)
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 阪神・大山悠輔内野手(28)が5日のDeNA戦で初回に先制13号3ランを左中間へ打ち込み、3連勝へ導いた。今季の勝利打点はチーム最多の10度目。夏のロード突入から2カード連続で勝ち越した。2位・広島とは1・5ゲーム差のままでも、岡田彰布監督(65)が開幕前から警戒していた3位・DeNAをついに8ゲーム差まで突き放した。

 照りつける夏の日差しより、はるかにアツい決勝弾だ。初回1死一、三塁。大山が今季初対決の大貫の初球スライダーを豪快に左中間席へ運んだ。19年から5年連続2桁に乗せる今季10度目の勝利打点。4番の一撃で、長期ロードを2カード連続勝ち越しだ。

 「しっかり準備して(打席に)入れた。そういう準備は1年間大事にしていること。その準備が良かった。でもその後の打席が反省するところしかない」

 完璧な一撃の余韻に浸ることはない。以降の4打席で喫した3三振が何よりも悔しい。特に2回2死一、三塁は追加点が欲しい場面だった。「あの(本塁打)1本だけじゃなくて、後にも打てればもっと楽になる。そういう意味では個人的に課題の残る試合」。それでもド派手な“花火”で勝利への道を照らした事実は揺らがない。大山は言う。

 「決めるべきところは決めないといけない。そういう意味ではチームにいい勢いをつけられたと思う。その後にみんなで1点ずつ取って勝てているので、チームが一つになって勝てた試合だと思う」

 通常よりも1時間早い午後5時開始。試合前練習のスタートも同様に早まり、チームが球場入りしたのは午後2時30分ごろ。立っているだけで体力が削られそうな酷暑の中、ウオーミングアップからしっかりと汗を出した。フリー打撃前のティー打撃も、バットの中間の位置を右手で握り体が開かぬよう意識付けしながら黙々とミート。フリー打撃でもフルスイングを繰り返し、その後は滴る汗を拭おうともせず、さっそうと走塁練習へ。寸暇を惜しんで準備に集中。初回の快打は必然だった。

 「内容ももちろん大事ですけど、チームが勝つことが一番だと思う。そこにどれだけ貢献できるか、という思いがあるので、しっかり考えながらやっていきたい」

 キッズデーとして開催される今回3連戦。4日の初戦は足で、そしてこの夜はアーチで子供たちを魅了した。DeNAの選手たちももちろんカッコいい。でも虎が誇る「おおやま」の凄さもきっと、ハマの少年少女の胸に深く刻まれたはずだ。 (八木 勇磨)

【データ】
 ○…阪神はDeNAに連勝で、夏の長期ロードは中日戦(○●○)に続く勝ち越し。ロード突入から2カード連続の勝ち越しは、21年から3年連続。次の巨人戦も制して3カード連続なら15年の4カード以来8年ぶりになる。横浜でのDeNA戦連勝は昨季5月14、15日以来。3連戦全勝なら21年4月9~11日以来になる。

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